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一口に大学院といっても、設置形態や開講形態、また、大学院志望者の研究目的、研究内容は様々です。ここでは、大学院入試の種類や設置形態や大学院進学の目的など“大学院入試の基礎知識”といえる部分をまとめてみました。
進化する大学院
従来は優秀な大学生がそのまま大学院へ進学し、研究を続けるといったイメージの強かった大学院は、1998年の中央教育審議会での『大学院は高度なスペシャリストの養成や社会人の再教育の場としてその環境を整え、社会人を積極的に受け入れるべきである』といった答申を受けて、ここ数年の間に、大きく変化してきました。専門職大学院の登場は言うまでもなく、夜間・土日開講制の大学院も急増し、社会人に配慮した修士1年コース・長期在学コースを置く大学院も現れました。また、社会人を意識して、都心にサテライトキャンパスを開校する大学も数多く誕生しています。
授業形式自体も、非常に柔軟になりつつあります。通信制の大学院やeラーニングによるインターネット大学院など、“通学”に捉われない新しいスタイルの大学院は、これから確実に増えることが予想されます。
このように、大学院はあらゆる面で、より身近になってきているのです。
多様化する進学目的
大学院へのアクセス拡大は、進学目的の多様化も意味します。
1.資格取得目的の大学院進学
現在、大学院と結びついた資格で人気があるものは、臨床心理士の受験資格、税理士試験の科目免除、国内MBAの取得 などがあります。とくに、臨床心理士の受験資格を得るための大学院進学は根強い人気です。
2.就職のための大学院進学
『就職のため』の大学院進学の代表的なパターンとしては、シンクタンクへの就職国際公務員になるためなどが挙げられます。“自分自身をより高く売るために大学院に進学する”という人もいるようです。
3.研究者になるため
従来型の“研究者養成”についても、「大学院重点構想」や、「21世紀COEプログラム※1」から、その健在ぶりを見て取ることができるでしょう。
用語解説 |
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※1 21世紀COEプログラム・・・ |
我が国の大学に世界最高水準の研究教育拠点を形成し、研究水準の向上と世界をリードする創造的な人材育成を図るため、重点的な支援を行い、もって、国際競争力のある個性輝く大学づくりを推進することを目的としています。 |
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試験内容は大学院・研究科によって異なりますので、早めに過去問題を取り寄せるなどして志望大学院・研究科の出題傾向を把握し、それに応じて対策を講じることが必要です。試験内容は多岐に渡りますが、ここではその概略をまとめました。
入試の種類
入試の種類ですが、大学院入試は大別して『一般入試』と『社会人入試』があります。一般入試の試験科目としては、一次試験で「専門科目」「外国語」、二次試験で「面接(もしくは口頭試問)」がもっとも多いパターンです。
社会人入試の受験資格は大学院や研究科によって異なる為、注意が必要です。試験科目としては、「小論文」と「面接」といったところから、書類審査・面接のみといった“AO(アドミッション・オフィス)入試※2”もあります。中には一般入試と同様に、専門科目や外国語の試験を課すところもありますが、社会人入試の専門科目や外国語の試験問題は、「社会人として働いていることから勉強の時間が取れない」という点などを考慮し、比較的、一般入試よりも易しいようです。
いずれの入試形態でも、まずは入試に関する的確な情報収集が大切です。志望校の過去問題を入手して傾向を把握することは、受験対策の鉄則とも言えます。
外国語(語学)試験について
外国語(語学)試験は、理工学系では英語を指定されるところが多く、人文社会科学系では英語を含む数科目後から選択するところが多いようです。社会人入試では外国語試験を課さない大学院や研究科もあります。
外国語試験の出題形式については、大学入試のように細かい文法知識などが問われることはほとんどありません。試験を課す側は「入学後、海外の論文を読む力があるかどうか」ということを知りたいわけですから、多くの大学院・研究科での英語試験の基本は読解ですが、それに加えて専門科目の背景知識がなければ、英語力だけでは回答できない点に注意が必要です。テクニカルターム(専門用語)の知識は必至です。
「外国語試験なし」の大学院入試の落とし穴
前述のように、社会人入試を中心に、近年、外国語試験を課さない大学院・研究科や書類審査・面接のみのAO入試が急速に増えてきました。受験生にとっては、科目数が少ない入試形態の方がより好まれます。とくに、大多数の方が苦手としている外国語の試験がないところは、入試対策を非常に安易に考えがちです。
しかし、その代替措置として出願書類の中に語学能力を示すもの(TOEIC®、TOEFL®等)を求められるケースがあることには注意が必要です。
専門科目試験について・小論文試験について
専門科目の試験については、「〜について論ぜよ」など論述問題を課すところや、専門用語の用語説明を数百字程度で解答する問題が多く見られますが、大学入試のような客観性の高い出題をする大学院もあります。また、ただ専門知識の有無を問うだけではなく「自分自身の考え」を問う形式の問題も見られ、いかに高い問題意識を持って学問に臨んでいるかという点が問われます。まずは、過去問等を取り寄せて、試験の傾向を知ることが対策の第一歩です。
専門知識に捉われない時事的・普遍的な小論文試験では、「専門的な勉強がゼロでも大丈夫」と思いがちです。しかし、このような場合でも、「○○の専門領域の大学院進学を目指す者ならば当然、答えられるべき」といった解答が求められていると思われます。専門科目・小論文を問わず論述対策としては、過去問題を解いたり、自分で予想問題を作るなどして、実際に答案を作成してみることが最良です。
面接試験について・研究計画書について
AO入試の普及、外国語試験の免除、科目数の減少、これらは必然的に面接試験のウェイトが高まっていることを意味します。
面接試験は、筆記試験と同時に行われる場合と、二次試験として筆記試験合格者に対してのみ行われる場合があります。専門に関することを聞かれた際は、必ず答えられるようにしておくことが大切です。さらに、筆記試験の出来や志望理由、とくに出願書類の中に「研究計画書」がある場合、その内容については突っ込んだ質問を受けることが多いようです。
さて、多くの大学院入試において面接試験のコアとなる「研究計画書」(「将来計画書」や「志望理由書」といった呼び方をするところもあります)は、事前の出願書類の中に含まれていることがほとんどです。この研究計画書は、大学院に入ってから研究するテーマおよび研究内容の概要をまとめたものです。研究計画書は、今までどの程度勉強してきたか、また、研究に対する熱意や論理力・文章構成力などさまざまな能力を推し量ることができますので、合否判定に結びつく重要なものと言えます。
用語解説 |
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※2 AO(アドミッション・オフィス)入試・・・ |
自己推薦制などに似た入試形態です。学力では測れない個性豊かな人材を求めることを目的としていて、学力よりも目的意識や熱意・意欲を重視しています。 |
※3 テクニカルターム(専門用語)・・・ |
日本語は「専門用語」といいます。普通の人の会話の中ではあまり使いいませんが、特定の話題にくわしい人どうしで意味を正確に伝えるために使用する専門的な言葉です。 |
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