研究計画書の書き方について
研究計画書は、専門科目、英語の試験と並んで、大学院入試において極めて重要なウェートを占めています。研究計画書とは何なのか、また具体的にどのような手順を踏んでそれを作成していけばいいのか、書き方について簡単にご紹介します。
研究計画書とは何か
研究計画書とは、「大学院入学後に行いたい研究内容と、その研究を行うための計画について、大学院・研究科側の所定の様式に従ってまとめたもの」と定義することができます。研究計画書は①研究内容、②その計画から成り立つものであると考えてください。
研究内容
問題意識を明確にする作業
研究計画書を執筆するにあたって、問題意識を明確にしなければなりません。皆さんが、いかなる「事態・事象」について、どのように「問題」であると感じているのかということです。
研究の目的を明確にする作業
問題意識を明確化していく作業の過程で、皆さんは、研究を通じて明らかにしたいことを明確にしなければなりません。その際、「何故~なのか?」「どのように~なのか?」のように、疑問に感じていることを問い形式で設定してみるといいでしょう。
先行研究の状況を把握する作業
研究の目的を決めたら、自身が設定した問いについて、先行研究がどのような答えを出しているのかについて、調べる必要があります。もしその問いに対して、先行研究が様々な立場から独自の見解を出しているのならば、その問いは、特定の研究分野で重要な論点となっていることがわかります。逆に、問いに対する先行研究が全くないのならば、設定した問いが、本当に論じるに値するものなのか再考する余地があります。
先行研究の限界を考える作業
先行研究について調べていくにあたって、先行研究の見解について批判・修正すべき点、補足して考えるべき点はないか、すなわち先行研究の限界について考える必要があります。
研究の独自性と意義を考える作業
先行研究の限界を踏まえ、自身の研究の独自性を明確にしましょう。「私の研究は、~の研究分野における~という問いを明らかにすることを目的とする。その際、先行研究では~という点について不十分であるために、~に焦点を当てる」とったように頭の中で整理しましょう。
研究の方法を考える作業
研究をどのような方法で実施していくのかについても明確にせねばなりません。自身の研究目的を達成するには、どの方法論を取るのが最も良いのか(あるいは上記方法論を組み合わせる必要があるのかについて)を考えましょう。
研究計画
大学院への進学後、研究をどのような手順で実施していくのか、いわば、研究に取り組むための「戦略」を立てるのが研究計画です。
所属ゼミはどうするのか
進学後、研究を円滑に進めるには、どのゼミに所属し、どのようなことを学んでいく必要があるのか考えます。
履修科目はどうするのか
研究あるいは将来の目標のために、志望校の研究科に存在する科目群の中で、どの科目が必要になってくるのか、大体の目安をつけておきます。
今後読まねばならない二次資料や一次資料について把握
二次資料は、書籍や論文のタイトルとそこに書かれている大まかな内容を把握しておきます。一次資料は、その種類と入手する場所をやはり大体でよいので把握しておきます。
志望動機
研究計画書の中で、志望動機を書かせる大学院がありますので、この点についても加えて説明します。志望動機の書き方は、自身の研究内容や将来の希望進路と、大学院の特色(在籍教授陣・カリキュラム等)を結び付けて書くと良いと思います。立地や、就職率、その大学院の知名度などは志望校を選ぶ際の重要な基準ですが、研究計画書に書くことは控えた方がよいでしょう。
研究計画書の作成例
これまで示してきた点を、研究計画書にどのように反映させればよいのかについて、書き方の例を示したいと思います。なお、研究計画書を執筆するに際して、参考にしたり引用したりした参考文献は、最後に必ず載せましょう。参考文献は、学術的な法則に則った形式で示さなければなりません。
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