はじめよう。まだ、未来は変えられる。

札幌学院大学大学院 合格体験記 

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プロフィール

23歳、女性、十文字学園女子大学教育人文学部心理学科4年。
高校生の時、家族カウンセリングを知り、心理職を考える。1年休学し、ニュージーランドに滞在。2025年4月から本格的に受験勉強を開始。同年10月札幌学院大学臨床心理学研究科に合格。

合格の報告と受験期間

私は2025年10月、札幌学院大学大学院 臨床心理学研究科に合格しました。大学院受験の準備を始めたのは同年4月。約半年間の受験期間でしたが、振り返ると「合格した」という結果以上に、自分自身と向き合い続けた時間だったと思います。私はこれまで受験勉強と呼べるものをしたことがなく、高校受験・大学受験もほとんど準備をせず進んできました。だからこそ、大学院受験は人生で初めて“自分の意思で努力した期間”であり、自分の中で大きな転機だったと感じています。

心理職を志した原点

大学院を目指した根底には、高校生の時の経験があります。アメリカに留学した際、ステップファミリーが当たり前のようにカウンセリングを利用しており、家族として心理支援を受ける文化や姿勢に触れました。日本で育った私にとって、その景色は強く印象に残りました。「困った人だけが相談する場所ではなく、より良く生きるために心理の専門家がそばにいる」。その認識に触れたことが、心理職を志す最初のきっかけでした。

ニュージーランド滞在が与えた影響

その後、ワーキングホリデーでニュージーランドに滞在した経験も大きな影響を与えました。文化や支援制度、地域コミュニティのあり方、人との距離感が国ごとに生き方が違うことを実感したことで、「心理を学ぶことは、人を理解するための言語を学ぶことだ」と思うようになりました。これらの経験が、「大学院で本格的に心理学を学び、支援者として働きたい」という確かな動機へと繋がりました。

志望校決定の背景

志望校を決めたのは2025年4月頃です。私の地元は札幌で、再び札幌の支援体制を学びたいと思ったことが理由のひとつでした。特に、私が通っていた小学校は特別支援に力を入れており、その時の経験は今でも鮮明です。「支援が必要な子どもたちへ、適切な専門家が関わる環境で働きたい」。その思いが、学校現場で心理支援に携わる未来像に直接結びつきました。

札幌学院大学を選んだ決め手

札幌学院大学を選んだ理由は、実際に大学院の先生と話した時の感触でした。大学の先生がご縁を繋いでくださったのですが、大学院の先生は質問に丁寧に応えてくださり、こちらの不安や疑問に寄り添う形で説明をしてくれました。受験生である私が、その時点で「守られている」と感じたことが印象的でした。さらに、見学に訪れたときの学校全体の雰囲気が明るく、学生同士の表情や距離感にも安心感を覚えました。「もしつらくなった時、この環境なら相談できる」。そう思えたことが決め手でした。

KALSを選んだ理由

大学院入試対策にKALSを選んだ理由は母からの「心理学で大学院を目指すならKALSがいいと思うよ」という言葉です。実際、講義では心理学の基礎知識を整理し直せたことが大きかったです。理解したつもりになっていた領域も、体系的に学び直すと知識の穴に気づきました。焦った時は、授業で講師が淡々と問題を解説していくスピード感を思い出し、「焦っているのは自分だけじゃない、知識は積み重ねれば必ず形になる」と気持ちを立て直すことができました。

受験科目と学習方針

受験科目は専門科目・小論文・英語でした。得意な領域は臨床心理、苦手だったのは産業や司法犯罪でした。過去問を分析したところ、札幌学院大学は出題傾向として、広く浅くではなく「基礎の理解+重要領域の深掘り」が求められると分かりました。そこで苦手な領域は無理に深追いせず、出題頻度の高い内容と、理解が曖昧な基礎知識を優先する学習方法に切り替えました。

学習方法の工夫

学習方法の工夫として意識したのは、「止まらないこと」です。長時間同じ場所にいると集中が切れるため、大学・図書館・教室などを移動しながら勉強しました。私は静かな環境では逆に意識が逸れてしまうので、内容をすでに把握しているアニメを流し、音だけを環境音として利用しました。

支えになった言葉と直前期

精神的にしんどい時期も何度もありました。そんな時に支えになった言葉があります。大学1浪して勉強していた友人からの「周りがどれだけ進んでいるように見えても、自分の不安な部分を振り返ること」。そして大学院生の同期からの「そんな周期も来る!!!!!来るときは来る!!!!!メンタル!体調!第一!!!!」。この2つの言葉は、何度もノートの端に書き込むほど自分を支えてくれました。本番1週間前は新しいことはせず、今まで作ったノートの確認だけをしました。

受験当日と合格の実感

受験当日は緊張していましたが、試験会場で声をかけてくれた人と話すことで肩の力が抜け、「同じ目標を持つ人がいる心強さ」に救われたのを覚えています。合格通知を見た瞬間に湧いた感情は予想外でした。「嬉しい」よりも先に来たのは「終わった、受験が終わった」という安堵でした。じわじわと実感が湧き、翌日になってようやく「これから大学院で学べるんだ」という喜びが大きくなりました。

これからの目標

これから私は、学校現場で心理支援に携わる専門職を目指します。思春期の頃、周囲の環境や大人との関わりで心の動きが大きく揺れる経験をしたからこそ、「安心して話せる大人の存在」や「適切な支援が届く環境」がどれだけ重要か、身をもって知っています。大学院での学びを深め、臨床家として実践を積みながら、子どもたちのそばにいられる支援者になりたいと思っています。

生活の組み替えと不安との向き合い

受験期間を振り返ると、知識を積み上げる作業だけではなく、「自分の生活そのものを受験に合わせて組み替えていく作業でもあった」と感じています。2025年の1月からはSNSをほとんど使わないようにし、友達との約束も必要最低限に絞りました。決して人付き合いを断ちたかったわけではなく、誰かと会うたびに「今は遊んでいていいのだろうか」「その時間を勉強に充てるべきではないか」と頭のどこかで考えてしまい、気持ちが落ち着かなくなったからです。生活から余計な選択肢を減らすことで、迷いや焦りに費やすエネルギーを学習に回せるようになりました。ただ、それでも不安はなくなりませんでした。勉強してもすぐに忘れること、自分の弱い領域が明確に分かってしまうこと、やってもやっても「十分だ」と感じられないこと。受験勉強は知識を増やす行為でありながら、同時に「自分の未熟さと繰り返し向き合う行為」でもありました。そんなとき、前述した友人たちの言葉は何度も救いになりました。努力の量ではなく、ペースでもなく、「不安を抱えた自分ごと受け止めること」を教えてくれる言葉でした。

学びが日常とつながる瞬間

また、振り返ると「学んだ知識と日常が結びつく瞬間」が増えていったことが、自分にとって大きな励みになっていたと思います。大学で参加していた小学校のピアサポートでは、子どもたちの行動特性や困りごとに触れるたび、参考書や講義で学んだ内容が頭の中で整理され、現場と理論が繋がる感覚がありました。机の上だけで完結する知識ではなく、実際に目の前の人間に生きる知として形になるその実感が、受験の意味を確かなものにしてくれました。

伸び悩み期と「止めない」工夫

勉強の進み具合が見えない時期もありました。知識が点のままで線にならない、努力が積み重なっている実感がない、そんな状況が数週間続く時期もありました。そこで私が意識したのは、「進んでいなくても椅子に座り続けること」でした。完璧にできなくても、その場にいること自体を自分の最低基準にする。ノートを写すだけの日があってもいいし、線を引くだけの日があってもいい。学習の量ではなく、習慣として止めないことの方が重要だと後半になってようく理解できました。

受験を終えて得たもの

そして受験を終えた今、自分にとって最も価値のあったことは「自分の努力を信じる経験をしたこと」だと思っています。結果として合格できたことはもちろん嬉しいですが、そこに至るまで、迷いながらも諦めず学び続けた日々が、今後専門家として生きる上での土台になったと感じています。

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