【お役立ちコラム】試験直前の過ごし方!今やるべきこと

- 文責:河合塾KALS 宮川純
- 作成日:2025/6/2
試験直前の過ごし方!今やるべきこと
心理系大学院入試まであと数日……となると,緊張感は高まるものです。あとから「もっとこうしておけば良かった」と後悔もしたくないことでしょう。だからこそ直前期に何をするべきか,改めて確認してみたいと思います。
確認重視・演習重視
知識のインプットは,確認重視が望ましいです。特に試験1週間前になったら,新しい参考書はできるだけ開かず,これまでに自分が学んできた教材や,自分が作ってきたノートを見直すようにしましょう。新しい参考書を開いても,論述できるレベルまで知識が仕上がりきらなかったり,見たことがないキーワードが登場してきて不安や焦りにつながったりして,総合的にマイナスに働く可能性が高いからです。
また,知識のインプットよりも問題演習を使ったアウトプットの比率を多くしましょう。問題演習は「心理学検定 問題集」や「公認心理師国家試験対策 赤本」などの,明確に答えが存在する選択式の問題を中心に行うと良いです。心理系大学院入試の中心は確かに論述問題ですが,直前期に論述形式でアウトプットトレーニングをしようとしても「自分の論述は,果たして妥当なのか?」ということをチェックできず,かえって不安や焦りにつながります。過去問も同様に,問題演習として使うことは難しいです。過去問は答え合わせができないため,あくまで出題傾向をつかむことが優先。過去問で把握した出題傾向をもとに,前述の「明確な答えが存在する問題」を活用して知識をそろえていくことをお勧めします。
河合塾KALSに通われている方の場合は,論述式の練習は添削課題を中心に行い,自学自習についてはKALSテキストに記載されている「答えの存在する問題」を中心に行うとよいでしょう。
体調管理を最優先
試験は「知のスポーツ」でもあります。勉強で夜更かしして体調を崩すより,早寝早起きを心がけて体調を整えた方が,当日のパフォーマンスが発揮されやすいです。特に試験1週間前は,体調管理を最優先に。試験に向けて,自分のコンディションを整えていきましょう。
学習計画については,試験ギリギリまで詰め込まないように。多くの場合,ギリギリまで詰め込まれた計画は,最後まで達成できずに試験を迎えることが多いです(あるいは,なんとか達成しようとして,体調を崩してしまう)。大事なことは「やりきる」こと,後悔を残さないことです。試験2・3日前には「やるべきことはやりきった」と言える状態を作り,残った時間は知識の確認や面接対策などにあてると良いでしょう。
試験当日のポイント
試験当日のあなたを想像してみてください。あなたは,どんな気持ちで,どんな足取りで試験会場に向かっていますか? それが,あなた自身が目指す姿です。ぜひその気持ち・その足取りで試験会場に向かえる自分を目指して,当日までの日々を過ごしましょう。
そして実際の試験本番では,どうしても想定外の出来事が起こります。
- ・過去問と大きく傾向が異なる。
- ・全く知らない用語ばかり出題されている。
- ・時間配分がうまくいかず,時間が足りない。
このような想定外は「起こって当たり前」と考えましょう。
想定外が起こった時は,試される時。ここからが本番です。焦りに飲み込まれて,自分を見失って,実力を発揮できなくなってしまうか。今の自分にできることを確認して,今の自分が作り上げられる最大限の答案を仕上げることができるか。ここが合否の分かれ目です。
面接対策
そして筆記試験だけでなく,面接試験が気になっている方も多いと思います。
基本的に面接試験も「正解」はありません。そのため,可能な限り「想定質問」を考えて,それに対する「想定回答」を準備することになります。想定回答はイメージするだけでなく,実際に書き起こしてみるとよいでしょう。書き起こしてみることで,実際に面接試験で話している自分をイメージしやすくなります。
しかし,その想定回答を丸暗記する必要はありません。「相手に伝えること」よりも「暗記してきたことを話す」ことに意識が向きすぎて,相手には伝わらない内容になることが多いです。しっかり準備してきた人は,その言葉から伝わります。何も準備していない人の薄っぺらい回答とは,明らかに異なります。しっかり準備してきた自分を信じて,その場で考えたことを,丁寧に話してください。
また,圧迫面接があることも想定しておきましょう。圧迫面接は,負担に耐えられる力があるかを試す「試験」でもあります。
- ・この研究計画,意味あると思いますか?
- ・この方法では,仮説を証明することは難しいと思いますが。
- ・(話の途中で)ああ,もういいんで。別の話を聞かせてもらっていいですか。
このような質問は,大きく動揺すると思います。原則としては,反論せずに相手の質問の意図を理解しようとすること。それでもうまく答えられない場合は,現時点ではうまく答えられない,という事実を真摯に伝えることです。うまく答えられないときに,どのように答えるかを,あらかじめ準備しておけるとよいでしょう。圧迫面接があったから合否が決まるのではなく,圧迫面接をどう対処したかで合否が決まります。
なお,河合塾KALSでは面接対策に対するより詳しい資料や講義があります。またチューターカウンセリングを利用して,面接練習をすることも可能です。直前期の悩みや不安などを解消する手段としてチューターカウンセリングを利用するのも良いでしょう。ぜひ存分に活用していただいて,万全の体制で試験に向かえることを心より願っています。