プロフィール
61歳男性 立教大学文学部史学科卒
配偶者を病院で看取った経験、看護助手として病院の緩和ケア病棟で働いた経験から、ターミナルケアにおける患者への精神的支援の必要性を感じ、心理系大学院受験を志しました
2024年4月、独学にて受験勉強開始。2025年4月、※1河合塾KALS名駅校にて速習コース受講。2025年10月、山梨英和大学大学院人間文化研究科臨床心理学専攻合格
本文
心理学を学ぼうと思うまで
私は東京の会社で25年間働いた後、個人投資家として独立。55歳で長野県に移住しました。移住後は県内の病院で、緩和ケア病棟の看護助手として働きました。
日々終末期の患者と接する中、医師や看護師がその多忙さゆえ、患者の身体的ケアに手いっぱいで、精神的ケアにまで配慮が及ばない実態を知り、心理学を学ぼうと思いました。
その時点で60歳を目前にしていたので、学部からの編入を必要とする公認心理士はあきらめ、臨床心理士のみの資格取得を目標にしました。
幸い、個人投資家の収入で日々の生活費は賄えていたので、資格取得後は非常勤で働いても食べていける、という目算もありました。
地方在住者にとっての選択肢
私のような地方在住者の場合、臨床心理士指定大学院の選択肢は限られます。長野県の場合は、国立信州大学大学院総合人文社会科学研究科・臨床心理学コース1校のみでした。
1年目は独学で挑戦
1年目は、河合塾KALS及びIPSAで出している受験参考書を全て買い、東京大学出版会や有斐閣の心理学概論書と併せ、独学で受験に臨みました。前年に病院の仕事は辞めていたので、勉強に充てられる時間の確保では恵まれていたと思います。
1年目の結果と成績開示
結果、9月の秋季試験、翌年1月の春季試験、ともに不合格。
成績開示を求めたところ、秋季が300点満点中147点、春季が153点でした(配分は筆記200点、面接100点)。
入試倍率は、秋季が受験者30人に対して合格者10人。
春季が受験者10人に対して合格者1人でした。
2年目は予備校に通うことを決意
秋季と春季の間の4か月で6点しか上乗せできなかったことにショックを受け、独学では永遠に合格できないと思い、2年目からは予備校に通うことにしました。
これも地方在住者の悲哀で、心理系大学院受験の予備校は東京、大阪、名古屋などにしかありません。インターネットで検索し、参考書の文体から親しみを感じていた河合塾KALS・宮川先生の講義を受けようと思いました。宮川先生が名駅校の講師である点や、心理学・心理学概論・心理統計法・心理英語の各講義を金土日の週末3日間に固めて受けられることから、自宅から160キロ離れた名古屋のKALS名駅校を選びました。
通学コースを選んで
通信コースでは自分の精神力が続かないと思って、通学コースを選択。毎週末JRの特急で名古屋を往復し、ビジネスホテルに泊まりながら半年間、全ての講義に出席しました。
自分で稼いだお金で受講料を払うと、我ながらモチベーションが違います。でもそれ以上に、講師の方々の親身で熱心なご指導に触れ、一コマでも欠席したら損だと思いました。
宮川先生には、精神分析・行動主義・人間性心理学それぞれをバランスよくご指導頂きました。アーカイブで視聴した新宿校の講義は行動主義寄りに感じたので、志望校の学派的にも、名駅校を選んで正解でした。
臨床心理学は心の病理的な面を重点的に扱うので、学ぶ側はどうしても、精神的に暗く、重くなりがちです。その点、宮川先生が心理学概論の講義で、社会心理学や発達心理学のさまざまな最新トピックを取り上げ、「心理学ってこんなに面白いんだよ」という面も見せて頂いたのは、とても救いになりました。
研究計画書指導とチューター面接
そして研究計画書指導では、マンツーマンでテーマの立て方、尺度の選択、その独特の文体まで手取り足取りご指導いただきました。独学で挑んだ1年目と比べて、受験のプロに添削頂いた計画書を自信を持って提出できた2年目は、面接に臨む安心感が天と地ほども違いました。
チューター面接も、枠いっぱい使わせて頂きました。私からすればとても若いチューターの方々に「どうして心理学を志したのか」を逆インタビューするのが、密かな楽しみでした。
1年目・2年目の勉強時間
受験1年目は、参考書を見ながら用語別ノートを作ることを中心に独学。年齢的にも集中力に限界があり、勉強時間は正味1日3時間ほどだったと思います。その代わり週7日、毎日コンスタントに勉強していました。
2年目は、1週間に4~5コマのKALS講義を集中して聞き、その前後をKALSテキストを使っての予習復習に当てました。勉強時間は、やはり1日正味3時間ほどだったと思います。
2年目の結果
さて、2年目の結果は…
信州大学3度目の挑戦は、またもや不合格。
受験者25人、合格者10人でした。
山梨英和大学大学院の受験
実は、今年も落ちたらシャレにならんぞ、ということで、山梨県唯一の一種指定大学院、山梨英和大学にも願書を出していました。信州大学の合格発表の翌日がすぐ、山梨英和大学の試験日。慌てて学校近くの健康ランドに宿を取り、移動しました。
それまで、第一志望校にばかりフォーカスしていたので、山梨英和大学の説明会も行っていなければ、情報収集もいい加減。試験当日の朝、初めて校門をくぐりました。
筆記試験では、信州大不合格のショックもあって集中力散漫。午後に行われた口述試験では、「時間はかかっても学部編入して公認心理士を目指すべき」など、かなり否定的なことを言われ続けました。
そして30分間の面接の最後に「では、これからロールプレイを行います」。不登校の女子中学生に扮した女性教員を相手に、いきなりスクールカウンセラー役をやることに…
準備不足でまったく予想していなかったので、完全にしどろもどろになってしまいました。
そして結果は…
なぜか、合格。
成績開示を求めたら、400点満点中204点。ちなみに今回の合否基準得点(ボーダーライン)は174点で、配点は筆記試験200点・口述試験200点ということでした。
予備校の成績と本番の結果
受験本番直前の8月に受けた「KALS実力診断テスト」で、私は総合7位でした。新宿校・名駅校・新大阪校を合わせた受験者130数人の、上位5%に入ったことになります。
予備校でいい成績を収め、本番で答案用紙を論述で真っ黒に埋め、面接もいい雰囲気だったとしても、落ちる時は落ちる。
反対に、筆記試験で集中力を欠き、面接も壊滅的だったと思っても、受かる時は受かる。
受験後に成績開示を求めても、面接の配点が大きい以上、自分がどうして受かったか(落ちたか)はわかりませんでした。
年齢について聞いた話
先日、私立大の教員をしている知人に聞いたところ、「あくまで個人的意見だが」と断った上で、「費用対効果に厳しい大学の場合、老い先長くない受験生に対しては、あるいは年齢差別があるかも知れない」とのことでした。
大学院受験で重要だと感じた2点
「筆記試験は全問が論述問題」「研究計画書の出来が合否を大きく左右」「面接の、配点全体に占める割合が大きい」等の理由で、大学院受験は、今まで経験した高校・大学受験とはまったく別物。極めて不確定要素が大きいと感じました(特に中高年層にとっては)。
そうであれば、不確定要素を可能な限り減らすためには、
・時間とお金に余裕があれば予備校に通って、受験のエキスパートから、志望校のカラーに合った受験対策を授かる
・どの学校からご縁を頂けるかわからないので、できるだけ複数校を受験する
この2点が、特に重要になると思われます。
今後の目標
なんとかスタートラインに立てた今、大学院の2年間で得られる、豊富な実習を含んだ学びにワクワクしています。
専門知識を習得した上で、これまでの人生経験を生かし、人の心にそっと寄り添う黒子のような心理職になるのが、目下の目標です。
注記
※1現在名駅校は開講しておりません。
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