プロフィール
30代、商学部卒業。事業会社の経理職として勤務後、税理士法人にて約5年実務に従事。税理士試験と仕事の両立に課題を感じ、大学院進学を検討。2025年度入試にて青山学院大学大学院法学研究科ビジネス法務専攻に合格。
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大学院進学を考えるようになったきっかけ
私が大学院進学を意識するようになったのは、税理士法人で実務経験を積む中で、税理士試験との両立に強い難しさを感じるようになったことがきっかけでした。商学部卒業後、事業会社の経理部門等で約4年間勤務し、その後税務の専門性を高めたいと考えて税理士法人へ転職しました。実務を通じて税務の奥深さや面白さを実感する一方で、日々の業務量は多く、限られた時間の中で試験勉強を継続することは想像以上に負担が大きいものでした。このまま従来の学習方法を続けるだけでよいのか、将来を見据えたより良い学習環境はないのかと、改めて考えるようになりました。
そのような中で知ったのが、税法を専門的に研究でき、かつ税理士試験との親和性も高い「大学院進学」という選択肢でした。単なる資格取得のための勉強ではなく、税法の理論的背景や判例の考え方を深く理解し、実務に活かせる知識を身につけたいという思いから、大学院受験を本格的に検討するようになりました。当時は、3科目合格済み、残り2科目の受験後結果待ちの時期でした。
志望校を青山学院大学大学院に決めた理由
志望校として青山学院大学大学院法学研究科ビジネス法務専攻を選んだ理由は、法学分野において経験豊富な教授陣から直接指導を受けられる点に魅力を感じたからです。判例研究に加え、ディベート科目など実務にも直結するカリキュラムが用意されており、自身の研究目標を達成するために最適な環境であると感じました。
また、歴代修了生による論文賞の受賞実績が高い点も大きな魅力でした。高い意欲と能力を持つ多様な人材が集まる研究科で学ぶことは、自身の視野を広げ、将来の実務においても大きな糧になると考え、志望を固めました。
KALSを選んだ理由と学習の土台
大学院受験は情報戦の側面が強く、独学では限界があると感じたため、早い段階で専門予備校の活用を決めました。KALSを選んだ理由は、研究計画書対策や面接対策など、大学院受験に特化したノウハウが体系的に整理されている点にあります。
実際の勉強期間は約3か月と決して長くはありませんでしたが、税理士試験で法人税・相続税・消費税の学習をすでに開始していたことが大きな土台となりました。条文や基本的な制度理解がある程度できていたため、大学院受験では「なぜそう考えるのか」「判例はどのような価値判断を示しているのか」といった、より本質的な部分に時間を割くことができました。
研究計画書の作成とKALSの閲覧資料
受験において最も重要だと感じたのは研究計画書の作成です。研究計画書では、単に興味のあるテーマを述べるだけでなく、これまでの経験と研究テーマをいかに具体的に結びつけられるかが問われていると感じました。私は、KALSのテキストに加え、KALSが提供する合格者の研究計画書例、税務図書館で閲覧した専門書籍などを参考にしながら作成を進めました。
また、KALSの閲覧資料は研究計画書の作成だけでなく、面接対策においても大変役立ちました。面接では、研究テーマの背景や問題意識について深掘りされることを想定し、想定問答を繰り返し整理しました。閲覧資料を通じて大学院側がどのような視点で受験生を評価しているのかを理解できたことで、落ち着いて面接に臨むことができたと感じています。
研究テーマの選定と論点整理表
研究テーマの選定にあたっては、まず判例百選等を通じて、これまでの経験と親和性が高く、かつ学術的な検討余地があると感じたテーマをいくつか抽出しました。その上で、過去のKALS受講生の研究計画書や、市販されている研究計画書の書き方に関する書籍を参考にしながら、大学院で求められる研究の水準や構成を意識してテーマを絞り込んでいきました。
テーマを選定した後は、大崎にある税務図書館に定期的に通い、選定テーマに関連する文献を10点以上読み込みました。単に文献を読むだけでなく、各文献における論点や立場、判例の評価の違いなどを整理するため、論点整理表を作成し、頭の中で知識が断片化しないよう工夫しました。この作業を通じて、どのような理論的背景や議論の積み重ねの上に成り立っているのかを明確にすることができました。
最終的な研究計画書は、この論点整理表を基礎に、「なぜこのテーマを研究するのか」「先行研究ではどこまで明らかにされているのか」「自身の研究では何を明らかにしたいのか」という点を意識して作成しました。
面接試験の形式と準備
面接は20分程度で、面接官は3名という形式でした。事前にKALSの資料で過去の受験生の質問事項を確認していたため、想定外の質問に動揺することは少なかったように思います。特に、志望理由や研究計画書の内容については、限られた時間の中で的確に伝える必要があると考え、できるだけ端的に要点を絞って説明できるよう繰り返し練習を行いました。
また、研究計画書に関連する重要な条文や通達、主要な判例については、質問された際にすぐ説明できるよう、内容を頭の中で整理しておくことを意識しました。細部まで暗記するというよりも、「どの条文が、どのような趣旨で問題となるのか」「判例はどの点を重視して判断しているのか」といった骨子を押さえることを心がけました。
面接では、大学院説明会への参加有無や、簡単な自己PRの時間も設けられていました。これらの質問については、研究への関心の高さや、社会人として主体的に学ぶ姿勢が伝わるよう、簡潔ながらも前向きな姿勢を意識して回答しました。限られた時間の中でも、「この研究科で学びたい」という意欲を端的に伝えることが重要だと感じた面接でした。
仕事と両立するための勉強時間の確保
勉強時間の確保については、仕事との両立が最大の課題でした。休日にまとまった時間を確保する形で、無理のないスケジュールを心がけました。短期間での対策だったからこそ、完璧を求めすぎず、「研究計画書を完成させる」「自分の言葉で説明できるようにする」といった優先順位を明確にしたことが、結果的に良かったと感じています。
受験の結果と、挑戦して得たもの
最終的に、2025年度入試にて青山学院大学大学院法学研究科ビジネス法務専攻に合格することができました。一方で、大学院受験と並行して受験していた税理士試験にも合格することができ、熟慮の末、今回は大学院への進学は見送るという判断をしました。ただし、受験準備を通じて得た知識や視点は、進学しなかった現在でも確実に実務に活きていると感じています。どちらか一方を諦めるのではなく、複数の選択肢を本気で検討し、その中から自分にとって最適な道を選べたこと自体が、大学院受験に挑戦した大きな成果だと感じています。
大学院受験を通じて、単なる試験対策にとどまらず、自身のキャリアや専門性について深く考える機会を得ることができました。研究計画書の作成や面接準備で培った「自分の経験を言語化する力」は、今後の実務においても必ず役立つと確信しています。
これから大学院進学を目指す方へ
これから大学院進学を目指す方には、ぜひ早めに情報収集を行い、自分なりの目的意識を明確にすることをおすすめします。短期間であっても、正しい方向で努力を重ねれば、社会人であっても十分に合格を目指すことは可能です。この体験記が、同じように悩みながら挑戦される方の一助となれば幸いです。
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