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研究計画書の先行研究 - どこまで調べ、どうまとめるか お役立ち記事 

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研究計画書の先行研究 - どこまで調べ、どうまとめるか
  •  作成日 2026/9/12

研究計画書を書き進めるとき、多くの方が手を止めるのが先行研究の部分です。何本読めばよいのか、どこまで書けばよいのかが分かりにくく、後回しになりやすい項目でもあります。

ただ、先行研究の整理は研究計画書のなかでも特に評価に直結します。ここが書けているかどうかで、入学後に研究を進められる人かどうかの印象が大きく変わるためです。

本記事では、なぜ先行研究が必要なのか、何をどこまで書けばよいのか、そしてそれを学問的意義にどうつなげるのかを整理します。

なぜ研究計画書に先行研究が必要なのか

研究とは、まだ分かっていないことを明らかにする営みです。裏を返すと、すでに誰かが答えを出している問いは、そもそも研究として成立しません。

先行研究を調べる目的は、自分の問いがまだ解かれていないことを確かめるところにあります。関心のあるテーマについてどのような研究がなされてきたのかを整理してはじめて、自分の研究がどこに位置するのかを示せます。

研究計画書は、入学後に書く修士論文を紹介する書類です。その紹介のなかで「この問いはまだ解かれていない」と言えなければ、研究する理由そのものを示せないことになります。

研究計画書全体の位置づけや評価の観点については、大学院入試の研究計画書とは で整理しています。

「読んだ論文の紹介」では足りない

先行研究の欄でよく見られるのが、読んだ論文を並べて内容を要約しただけの書き方です。これだけでは、調べたという事実は伝わっても、自分の研究の必要性までは伝わりません。

必要なのは、読んだ内容を自分なりに理解して整理し、そのうえで「この部分がまだ足りないのではないか」と示すところまでです。次の3段階で考えると進めやすくなります。

  • 整理する:関心のあるテーマについて、これまでどのような研究がなされてきたのかを自分の言葉でまとめる
  • 不足を見つける:そのなかで、まだ扱われていない対象・視点・方法を特定する
  • 自分の研究につなげる:だからこの研究が必要だ、という筋を通す

3つ目まで書けてはじめて、先行研究の整理が自分の研究の根拠として働きます。論文を読む量よりも、読んだものをこの形に落とし込めているかどうかが問われます。

学問的意義は先行研究から導く

研究の意義は、社会的意義と学問的意義に分けて考えられます。この2つは求められ方が違います。

意義の種類 説明する内容 扱い
社会的意義 現実の課題に対して、この研究がどう役立つのか 分野によっては書きにくい。書けるなら入れる
学問的意義 これまでの研究に対して、自分はどの部分を明らかにするのか 分野を問わず必須

社会的意義は、現実の課題を扱う分野であれば書きやすい一方、分野によっては示しにくいこともあります。書けるのであれば入れたほうがよい項目です。

これに対して学問的意義は分野を問わず必須です。学問的意義とは、これまでの研究に対して自分はどの部分を明らかにするのか、という説明にほかなりません。ここが示せないと、その研究はやらなくてもよい、という判断につながってしまいます。

そして学問的意義は、先行研究を調べないと書けません。何がすでに明らかにされているのかを知らないまま、自分が何を付け加えるのかを述べることはできないためです。先行研究の整理と学問的意義は、切り離せない関係にあります。

先行研究の整理が入学後の信頼につながる

先行研究がしっかり書けている研究計画書は、入学後にきちんと研究を進められそうだという安心感につながります。逆にここがほとんど手つかずだと、限られた期間で修士論文を書き上げられるのか不安に見えてしまいます。

面接でも先行研究は質問されやすい項目です。面接は提出した書類をもとに進むため、「その論文ではどのようなことが言われていたのか」「そこに対して何が足りないと考えたのか」といった問いが想定されます。

丸暗記して話す必要はありません。どの論文について何を答えるのかを箇条書き程度に整理しておくと、落ち着いて答えられます。提出から面接までの流れは 研究計画書はいつから書くか で整理しています。

社会人がつまずきやすいポイント

社会人の方の場合、仕事の経験から「こういう研究がしたい」という方向がはっきり定まっていることが多くあります。問題意識が具体的で、テーマ設定そのものは進めやすい傾向があります。

その一方で、論文の確認が手薄になりやすいのが弱点です。テーマが決まっているぶん、そのまま書き始めてしまい、先行研究の整理が薄いまま提出に至るケースが見られます。

大学に在籍している方は、ゼミで指導を受けながら論文を読む機会があるため、この部分は比較的進めやすい環境にあります。社会人の方は、意識して論文を読む時間を確保する必要があります。

整理した先行研究をどう自分の切り口に結びつけるかは、研究計画書の独自性 もあわせてご覧ください。河合塾KALSの文系大学院入試対策講座では、研究計画書対策 として個別の指導をご用意しております。

よくある質問

先行研究は何本くらい読めばよいですか?

本数そのものに決まりはありません。関心のあるテーマについてこれまで何が明らかにされてきたのかを整理し、まだ扱われていない点を示せる状態になっているかどうかが目安になります。その説明ができるところまで読み進めてください。

読んだ論文はすべて書く必要がありますか?

すべてを並べる必要はありません。自分の問いとの関係で重要なものを取り上げ、そこから何が明らかになっていて何が足りないのかを整理するほうが、研究の必要性は伝わります。分量よりも、整理の筋が通っているかどうかが見られます。

社会的意義が書きにくい場合はどうすればよいですか?

分野によっては社会的意義を示しにくいことがあります。その場合でも、これまでの研究に対して自分は何を明らかにするのかという学問的意義は必ず書きます。社会的意義は書けるのであれば添える、という位置づけで考えるとよいでしょう。

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