- 作成日 2026/9/12
研究計画書は、専門科目や語学の勉強と違って、いつ手をつければよいのかが分かりにくい準備です。締切が近づいてから慌てて書き始め、思うように進まなかったという声は少なくありません。
研究計画書は論文を読みながら少しずつ精度を上げていく書類です。一度で完成させるものではないため、逆算して早めに着手しておくことが結果的にいちばん効率のよい進め方になります。
本記事では、出願締切からの逆算、叩き台を作る目安、併願するときの分量の考え方、推敲と面接準備へのつなげ方までを整理します。
出願は試験のおよそ1か月前
大学院の入試日程は、大学入試のように全国で統一されているわけではありません。研究科ごとにばらばらで、同じ大学のなかでも異なります。
とはいえ、実施が集中する時期はあります。大学の夏休みのころと、年明けの1月から2月ごろに行う大学院が多くなっています。両方の時期に実施するところもあれば、片方だけのところもあり、時期によって試験科目や必要書類が変わることもあります。
そのうえで押さえておきたいのが、出願の締切が試験日のおよそ1か月前に設定されているという点です。研究計画書はこの締切までに仕上げる必要があります。
TOEFL®やIELTSといった外部試験のスコア提出を求める大学院もあり、その場合は出願締切までにスコアを用意しなければなりません。一度で目標のスコアが取れるとは限らず、複数回受けることを見込んでおく必要もあります。募集要項は必ず志望校ごとに確認してください。
叩き台は出願の1か月前までに
理想的には、出願の1か月前までに叩き台を作れている状態が望ましいところです。そこから論文を読み、読んだ内容を踏まえて書き換えるという作業を繰り返していきます。
専門科目の勉強で知識を身につけてから直前に一気に書こうとすると、意外と書けないことがあります。早めに一度形にしておくほうが安全ですし、仕上がりもよくなります。
そもそも志望校が決まらないと試験科目が決まらず、対策の方向も定まりません。試験科目にもよりますが、4か月から5か月ほど前までに志望校を決めておくと、その大学院に合わせた対策を取りやすくなります。
研究計画書の中身をどう組み立てるかは、大学院入試の研究計画書とは と 研究計画書の先行研究 をあわせてご覧ください。
2年間で書ける計画になっているか
修士課程の2年間は、想像よりも短いものです。1年目は授業と課題でほぼ埋まります。論文を読み、レポートを出し、ゼミに入れば報告の準備もあり、かなり忙しく過ごすことになります。
その忙しさのなかで、どう研究を進めていくのかが定まっていれば、2年間で修士論文を書き上げられると判断してもらえます。だからこそ、研究計画書には具体性が求められます。
特に確認されやすいのが、データや調査の実現可能性です。
- そのデータは手に入るのか:どこで集めるのか、入手できる見込みがあるのかを示す
- 調査対象の協力は得られるのか:調査を行う場合、対象とのつながりがあるのかを示す
データや調査の確保は、研究者にとっても苦労の多い部分です。学会や研究会でもデータに関する質問は必ずと言っていいほど出ます。この点に触れておくと、計画の現実味が伝わります。
併願するときの分量の考え方
研究計画書の指定分量は、大学院によってかなり幅があります。A4用紙の枠内に収めるよう指定されているところもあれば、かなりの字数を求められるところもあります。
1校だけ受けるのであればその学校に合わせて書けば済みますが、併願する場合は最も分量が多い学校に合わせて書いておき、他校向けには削って調整するのが進めやすい方法です。
減らす作業にも気を使いますが、足りないぶんを増やすほうがはるかに時間がかかります。多めに書いておいて調整する、という順序で考えてください。
併願校そのものの選び方については、試験科目が志望校と大きくずれない学校を選ぶと負担を抑えられます。併願のためだけに別の対策を一から用意することになると、準備が重くなりすぎます。
提出前に第三者に読んでもらう
仕上げの段階で強くおすすめしたいのが、提出前に誰かに読んでもらうことです。
自分で考えて書いた文章には、自分では見つけられない論理の穴や分かりにくさが残ります。自分の頭のなかでは筋が通っていても、違う考え方をする人から見ると「これはどういうことか」となる箇所が出てきます。指摘を期待して読んでもらうのが目的です。
専門的な知識がある人でなくても構いません。読んでもらってコメントをもらうだけでも十分に意味がありますし、思い込みで覚えていた表記の誤りなどは、自分ではまず気づけません。大学に在籍していればゼミの先生や授業の先生、それ以外ではご家族でもよいでしょう。
どうしても読んでもらえる相手がいない場合は、1週間ほど時間を置いてから自分で読み直してください。少し寝かせると、新鮮な目で見られるようになります。
河合塾KALSの文系大学院入試対策講座では、研究計画書対策 として個別の指導をご用意しております。
面接の想定問答につなげる
面接の対策は、書類を提出したあとに進めます。面接では提出した書類をもとに質問されるため、書いた内容が確定しないと対策のしようがないためです。
よく聞かれるのは、志望動機、修了後の進路、そして研究計画書の内容に関する質問です。研究テーマは何か、なぜその研究なのか、といった問いに対して、こう聞かれたらこう答えるという方針を用意しておきます。
丸暗記して話す必要はありません。覚えたことをそのまま話されても、どのような人なのかは伝わらないためです。箇条書き程度に整理しておき、あとはその場で自分の言葉で説明するほうが自然に伝わります。
先行研究については特に踏み込んで質問されることがあります。どの論文で何が言われていたのか、そこに何が足りないと考えたのかは、事前に答え方を決めておいてください。
生成AIを使って書いた場合も、面接では自分の言葉での説明を求められます。詳しくは 研究計画書の独自性 をご覧ください。
よくある質問
研究計画書はいつから書き始めればよいですか?
出願の締切は試験日のおよそ1か月前に設定されていることが多く、その締切の1か月前までに叩き台を作れていると余裕を持って推敲できます。直前に一気に書こうとすると書けないことがあるため、早めに一度形にしておくことをおすすめします。
併願する場合、研究計画書の分量はどう合わせますか?
指定される分量は大学院によって幅があります。複数校に出願する場合は、最も分量が多い学校に合わせて書いておき、他校向けには削って調整するほうが進めやすくなります。足りないぶんを増やすより、減らすほうが手間がかかりません。
研究計画書を読んでくれる人が周りにいません。
1週間ほど時間を置いてから自分で読み直してください。少し寝かせると新鮮な目で見られるようになり、書いた直後には気づかなかった分かりにくさが見えてきます。河合塾KALSでは研究計画書の個別指導をご用意しておりますので、あわせてご検討ください。
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