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浜松医科大学 医学部 合格体験記 

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24年 浜松医科大学 医学部学士編入試験合格者 合格体験記

26歳、男性。国立大学理学部卒業。社会人では3年間営業として勤務。
身内ががんに罹患した際、自身の専門である放射線による治療を受けたことを機に医学部受験を決意。2023年度は仕事と両立しながら、2024年度は仕事を退職して受験に専念。2024年11月に浜松医科大学に合格。

プロフィール

医学部編入に至るまでの経歴、医学部編入を志したきっかけ・時期

高校卒業後、現役で地方国立大学理学部に進学。
大学2年次に、自身の関心分野の学びを深めるべく関西圏の国立大学理学部に3年次編入学。専門は宇宙物理学、計算機科学。
サークル活動では留学生支援団体の代表を経験。
卒業後、防衛系商社に就職し、海外営業を3年間担当。その後、受験に専念すべく退職。

父が自衛隊の医務官、母親が看護師のいわゆる医療家系でしたが、医師になることを強制されたことはなく、大学では当時関心のあった宇宙科学を専攻しました。
大学卒業後、得意である英語が生かせ、公共性の高い防衛系の商社に就職しました。その後、社会人1年目に高齢であった祖父が肝臓がんにかかり放射線治療を受けたのですが、そこで私の専門と放射線治療のつながり、低侵襲等の放射線治療に関する様々なメリットを知る一方、高齢化社会の日本において放射線治療のニーズが高まっていることを知りました。
また防衛産業の一端で世界の安全保障環境の変化を経験し、どんなに良い防衛装備品を揃えても失われてしまう命があるという現実を知り、自らの手で人を助けることのできる医師という仕事に関心を持ち、2022年3月に受験を決意しました。KALSに入校し、2023年度は仕事と両立しながら受験しましたが合格には至らず、社会人3年目の2024年3月に会社を退職することを決意し、半年ほど勉強に専念しました。

受験先と受験結果

2023年度

1次 2次
香川大学 × -
愛媛大学 × -

2024年度

1次 2次
香川大学 × -
鳥取大学 × (1次で面接も実施)
愛媛大学 ×
浜松医科大学 ◎(進学)
山口大学 ×

勉強方法

KALSを選んだ理由・受講内容

プロフィールの通り、私は1度大学編入を経験しているのですが、その際は運よく塾に通わずに合格することができました。しかし医学部編入の競争の高さ、試験範囲の広さを考えると、入塾する必要性を感じ入塾しました。

受講講座は以下の通りです。
・基礎+完成+実戦コース(通信)
・物理化学コース(追加受講)

志望校を選んだ理由

大学では物理を専攻していたので、4科目型を中心に受験しました。また、関西出身ということもあり、西日本、東海圏の大学を検討しました。

各科目の勉強法

生命科学

生命科学は初学でしたので、基礎コースから理解を確認しつつ受講しました。確認テストは点数をエクセルでつけ、直近3回の平均点も出すことで習熟度を可視化していました。
実戦コースまで1通り学習した後、入試直前は各校の過去問を参考に、自分なりに出題傾向を分析し、分野を絞って勉強していました。テキストを何周するかを目的化するのでなく、テキストの要点をきちんと自分で言語化できるかを意識していました。そういう意味で要項集は大変重宝しました。

英語

英語はもともと苦手意識がそれほどなく、TOEICは社会人時代に825点を取得していました。ただ、実際の受験では生命科学系の単語、トピックが出題されることから、その部分は意識的に補いました。河合塾から「医学部受験の読解演習」という本が大学受験向けに出版されているのですが、生命科学初学者の私でもとっつきやすいトピック、単語量であり、和訳もついてますので、「自分ならどう訳すか」を考えながら勉強していました。KALSより配られた英単語帳も活用しました。

物理

高校時代に使用していた問題集やKALSのテキストを活用しました。4科目型受験において物理は得点できると大きなアドバンテージになりますが、勉強時間を割けばキリがないほど深い科目だと思います。大学時代は物理専攻であるということもあったので、あまり時間をかけず、出題が多い力学、電磁気学、熱力学の典型問題は解ける程度に留めました。

化学

高校では化学選択でしたが、編入学試験では大学基礎程度まで出るということで、KALSのテキストを中心に、東京化学同人から出版されている「生化学・分子生物学演習」、「有機化学演習」で演習量を補いました。有機化学は生命科学ともつながりが深いので、やればやるほど生命科学の理解を助けると思います。特にアミノ酸や糖、塩基であるATGC、発展として解糖系、クエン酸回路に登場する物質は何も見ずに構造式を書けるよう練習しました。

小論文

私の場合、浜松医科大学の2次試験で小論文がありましたが、KALSの小論文講座は受講せず、独学で勉強しました。ですので、あくまで私の持論となります。私は、小論文で得点を得るためには「医療制度・医療課題への理解」、「きちんとした論理展開」の2つがポイントと考えていました。前者は河合塾から出版されている「医学・医療概説」や図書館の本を参考に情報収集していました。後者は序論・本論・結論を書くことを意識しつつ、まずは量をこなすため、Word上にベタ打ちで制限時間内に制限字数である800字書くことを練習しました。慣れてきたら、書いた文章をChat GPTに添削してもらい、その後、自分でも推敲をするというプロセスでブラッシュアップしていきました。最終的に原稿用紙を使って時間配分を意識した練習をしました。本番当日は、比較的とっつきやすい題材だったということもあり、自信をもって書くことができました。

志望理由書

チューターの方々にもお手伝い頂き、何か月もかけ推敲しました。結局は「医師を目指すきっかけ」、「志望する大学、診療科が抱える医療課題」、「自分のどの経験が志望する診療科に活きるか」を具体化することだと思います。持論ですが、志望理由書は、それそのものに点数がつくわけでなく、あくまで面接の補助資料と考えており、上記がしっかり書けたと思えば筆記試験の勉強に専念すべきかと考えています。なかなか表現がしっくりこない場合は、意識的にカフェ、散歩、温泉などリラックスできる場所に意識的に出かけて考えるのも1つです。

面接

過去の質問集を参考に、想定問答集を作り、その後、友人に面接官役をお願いし、面接練習を行いました。小論文同様、面接においても序論・本論・結論を意識して話していました。私の場合、様々な経緯があり、面接時は一部、志望理由書と異なる内容を話したのですが、深堀りする大学と、意外と気にしない大学の2つに分かれました。結果としては合格を頂きましたので、もし万が一、面接で話すことを変えたいと迷われている方は、こういうケースもあるんだということを知って頂けたら幸いです。(もちろん、志望理由書と面接は一貫性があることが望ましいのは大前提です。)

目標設定、成績

公開模試と実際の試験では受験者層や出題傾向が異なるということもあり、公開模試はあくまで参考程度で考えていました。しかし解けなかった問題は弱点と考え、徹底的に復習しました。

第1回 公開模試

科目 得点 偏差値
生命科学 64 48.2
物理 73 65.9
化学 42 50.7
英語 13 28.3

第2回 公開模試

科目 得点 偏差値
生物 50 49.7
物理化学 43 54.9

その他

これから医学部編入を目指す方へ

受験生の方々はそれぞれの環境の中で、孤独な戦いに向き合われていると思います。モチベーションの維持が大変ですが、自分なりの息抜きの方法を見つけることも長い受験生活を乗り越えるために必要かと思います。チューターさんによるカウンセリングの活用や、医学部編入を志す友人を見つけるのも1つかと思います。合格後、親族、ご近所さん、前職の仲間、友人等から「おめでとう」の言葉を頂いた時、実感がわくとともに、覚悟をもって医学の勉強に励もうと思えました。この体験記が皆様のお役に立てば幸甚です。