24年 滋賀医科大学・福井大学(医学部)合格者 合格体験記
23歳、女性。私立大学体育系学部卒業。在学中に父が亡くなったことをきっかけに、医学部受験を決意。2022年4月から、大学の授業・課外活動・研究活動と両立しながら勉強を開始。2024年4月からは大学院を休学し、受験に専念。2024年11月に滋賀医科大学・福井大学に合格。
1.プロフィール
医学部編入、学士編入に至るまでの経歴
高校生の時から、将来はヘルスケア事業に携わりたいと考えていたため、運動と健康について包括的に学ぶことができる体育系学部に進学しました。学部時代は、4年間非常勤公務員として市民の健康増進事業に携わったり、運動と動脈硬化に関する基礎研究を行っておりました。学部3回生の頃には学会発表も経験しました。
医学部編入、学士編入を志したきっかけ・時期
元々、将来はヘルスケア事業を通して人々の健康を幅広くサポートしたいと考えておりました。しかし、大学在学中に脳出血によって父を亡くした経験や、市民の健康増進事業に携わった経験から、患者一人ひとりに向きあって健康を支えることができる人材になりたいと思い、学部2回生の終わり頃から医師を目指したいと考えるようになりました。
また、私は高校生まで、数学が得意な一方、英語が壊滅的に苦手な学生でしたので、一般受験か編入試験、どちらを受けるかかなり悩みました。しかし、以下の理由から、編入試験を受験することに決めました。
①一般受験で合格するよりも1年早く医師になることができるから
②受験科目が少ないから(特に国語・社会の勉強をしなくて良い)
③大学での課外活動を活かして、年齢の割には説得力のある志望理由を作ることができると考えたから
④編入試験に合格できなくても、KALSで学んだ内容は大学院での学びに活かすことができると考えたから
受験先と受験結果
受験校は、滋賀医科大学を第一志望としていたため高校範囲の物理・化学が出題される大学、および英語の配点が少ない大学を中心に決定しました。また、2024年度実施試験では大分大学の書類審査を通過したため、書類審査を設ける大学も積極的に受験しました。
受験校と結果は以下のとおりです。
2023年度実施試験
受験校 | 書類 | 筆記 | 面接 |
---|---|---|---|
愛媛大学 | - | × | |
滋賀医科大学 | - | × | |
琉球大学 | - | × | |
山口大学 | - | × | |
秋田大学 | × |
2024年度実施試験
受験校 | 書類 | 筆記 | 面接 |
---|---|---|---|
大分大学 | ○ | ○ | × |
愛媛大学 | - | × | |
長崎大学 | - | × | |
福井大学※1 | ○ | ○ | ○(追加合格) |
滋賀医科大学 | - | ○ | ◎※2 |
山口大学 | - | × | |
秋田大学 | × |
進学先と進学先を選んだ理由
滋賀医科大学に進学します。理由としては、滋賀医科大学は、私がこれまで学んできた生活習慣病、特に動脈硬化の研究が非常に盛んであることや、実家から通えること、将来的に働きたい関西圏の大学であること、編入生や再受験生が多い環境であるなどの理由から、これまで第一志望として取り組んできたからです。
2.勉強方法
KALSに入学した時期・KALSを選んだ理由・受講内容
私は学部2回生の終わり頃に医学部受験を決意しましたが、3回生の学部での勉強を疎かにしたくなかったことや、2回生の時には既に研究活動を開始しており学会発表が控えていたこと、その他複数の課外活動を行っていたこともあり、KALSを3回生から利用するか、編入試験の勉強に集中できる4回生から利用するか悩みました。ただ、KALSの入塾説明会でテキストを拝見した際に、高校生物も未履修であった私は一刻も早く勉強を始めるべきだと察しました。したがって、2024年度実施試験での合格を目標に、学部3回生(2022年)の4月から、2023年度実施試験対策の基礎・完成・実戦コース(通学)を受講しました。また、2024年には、2024年度実施試験対策の有機化学(単科受講)・集団討論対策・生命科学過去問分析(滋賀医科大学)も受講しました。
各科目の勉強法
生命科学
私は勉強時間のほとんどを生命科学に充てました。勉強は、まず実戦までの授業を一通り受講し、次にテキスト・ワークブックの問題、要項集と進めました。筆記試験終了までに、テキストは5周以上、ワークブックは3~4周ほど解きました。
私は問題を解きながら知識を入れていく方が勉強しやすかったことや、第一志望としていた滋賀医科大学では考察問題が多く出題されることから、要項集よりも先にテキスト・ワークブックに取り組みました。その結果、考察問題が多く出題された大学の筆記試験には通過し、知識問題が多く出題された大学の筆記試験には落ちました。この結果からも、当然ですが、安定して筆記試験に通過するにはテキスト・ワークブック・要項集全てを十分に取り組む必要があると痛感しました。ただ、滋賀医科大学を目指すうえでは、テキスト・ワークブックを中心に取り組んだことが功を成したと感じておりますので、ご自身の志望校に合わせて優先順位を決めていただければと思います。
英語
英語は、KALSの授業を受けることと、TOEIC対策を行いました。医学英語については、大学の授業や研究活動を通して生活習慣病に関する論文のみ日々読んでいましたが、それ以外の分野はほとんど勉強できずに終わりました。ただ、面接試験の際、英語の点数が低いことを良く思わない面接官もいらっしゃいましたので、もっと英語に時間を充てるべきだったと反省しています。2024年度実施試験で使用したTOEIC L&Rのスコアは690点です。
物理
物理は高校生の時に履修しておりましたが、大学入試では使用しなかったため、勉強開始時にはほとんど忘れていました。したがって、力学から順に、Try
itの映像授業を見て、物理のエッセンスを解く、といった流れで勉強しました。物理のエッセンスは2~3周ほど解きましたが、基本は星0・星1の基本問題のみを解いていました。また、苦手分野については、高校生の時に使用していた「セミナー物理」の基本問題を解いてから物理のエッセンスを解いていました。
加えて、滋賀医科大学一次試験の直前には、様々な分野の問題を解くことに慣れるために、センター試験の過去問を5年分ほど解きました。
化学
化学も物理と同様、高校生の時に履修はしていたものの入試には使用しなかったため、ほとんど忘れていました。特に有機・無機化学は初学者も同然でした。勉強に使用した教材は、KALSのテキストと、高校生の頃の授業で使用していた「セミナー化学基礎・化学」「重要問題集」です。
理論化学は、概念についてはある程度覚えていたので、問題集を解きながら当時の記憶を呼び起こしました。
有機化学は、KALSのスタンダード化学を受講することで一から勉強し、その後、その他の問題集を解くことで適宜知識を補強していきました。また、2024年度にはKALSの有機化学(大学レベル)も受講したため、大学レベルの有機化学が出る福井大学の一次試験前に軽く受講しました。
無機化学は、全体の1/4程度しか勉強できずに終わりました。
また、滋賀医科大学一次試験の直前には、様々な分野の問題を解くことに慣れるために、センター試験の過去問を5年分ほど解きました。
数学
数学は、高校範囲については覚えていたため、特に勉強はしませんでした。滋賀医科大学では大学レベルの数学が出題されますが、私が試験時間内に数学まで解ききることは難しいと考え、勉強しませんでした。
統計
統計の概念については大学の授業や研究活動である程度学んでいましたが、手計算についてはKALSで一から学びました。統計が出題される大学も受験しましたが、KALSのテキストを一通り理解していれば特に困ることはありませんでした。
小論文
小論文は、受講期限に間に合わなかったため、映像授業は10講義分しか受けられませんでした。ただ、通学での講義には出席していたため、2023年のうちに全講義の概要は把握できておりました。2024年は、大分大学と滋賀医科大学の一次試験を通過してからKALSのテキストと添削いただいた自分の答案を読み込みました。また、滋賀医科大学の二次試験前は、小論文の過去問を10年分解きました。
KALSの小論文の授業では、書き方だけでなく、様々な医療問題についても解説いただけるので、志望理由書の作成や面接対策時にも非常に参考になりました。
書類・面接対策
志望理由書も面接対策も、KALSのチューターさんを中心に多くの方々に見ていただきました。
志望理由書は、2022年12月にひな形を作り始め、完成したのが2023年6月でした。また、2年目の受験のために、2024年4月にひな形をブラッシュアップしました。
面接対策は筆記試験を通過してから始めましたが、特に最初の面接試験は準備不足で挑んでしまったと反省しています。筆記試験の結果が出てから面接試験までは割と時間がないので、志望理由書を作っている時から併せて面接応答集を作るなど、事前に対策をしておくべきでした。
また、大分大学の集団討論対策として、「医系小論文 頻出テーマ20」という本を一読しました。
3.その他
受験を経験した感想
私は2年目の2024年度での受験を目標にKALSに入塾しましたが、早くから勉強を始めて本当に良かったと感じています。1年目はKALSとその他活動の両立が難しく、KALSの小論文や英語の添削など十分に使いきれなかったサービスも多くありましたが、基礎から時間をかけて取り組むことができたおかげで、2年目以降の勉強も難なく進めることができました。予定よりも早期からKALSに入塾したことが今回の合格に繋がったと痛感しております。
また、私は2年目の受験の際、大学院進学と同時に休学するという形で受験に専念しましたが、万が一編入試験がダメだったとしても戻る場所があったおかげで、安心感を持って勉強に集中できました。編入試験は倍率も高く、運の要素も一般試験よりは大きい試験だと思いますので、私のように学生上がりで受験される方は、可能であれば卒業後もどこかに属しておくことをおすすめします。
これから医学部編入を目指す方へエール
編入試験は倍率も高く、試験期間も長いため、体力的にも精神的にも大変な試験だと思います。私は自分の健康に気を使わず過ごしてしまったため、心身ともに疲弊し、試験で十分な力を発揮できなかったこともありました。勉強中は焦る気持ちもあると思いますが、どうか皆さん自身の心身の健康にも気を使いながら取り組んでいただきたいです。心から応援しております。