24年 滋賀医科大学・福井大学(医学部)合格者 合格体験記
35歳、男性。文系国立大学大学院卒。幼少期に大病を患う。コロナ禍で「命を救う仕事がしたい」という想いが再燃し、2022年4月から本格的に受験勉強を開始。仕事と両立しながら2024年11月、滋賀医科大学、福井大学に合格。
1 プロフィール
医学部編入、学士編入に至るまでの経歴
高校では理系コースを選択し、医師を志すも、健康面や家庭の事情により勉強に専念できず挫折。その後、国際協力に関心を抱き、国際社会学系の大学で文化人類学を専攻。狩猟文化研究に没頭し、野生鳥獣被害対策としての「狩猟産業」に着目。知人とハンター会社を起業し、捕獲や調査業務に従事しながら大学院に社会人入学し、研究とビジネスに取り組んだ。
地域課題解決の視点から経営コンサルティング会社へ転職し、士業向けコンサル部門でシニアビジネスのマーケティングに従事。認知症の家族を持つ人々の苦悩やビジネスとしてできることの限界を痛感するなか、コロナ禍で医療の重要性を再認識。「直接命を救う仕事」を志し、KALSを知り、学士編入を決意した。
受験先と受験結果
【1年目:2022年4月~2023年12月まで】
受験校 | 書類 | 一次 | 二次 | 三次 | 順位 | 点数 |
---|---|---|---|---|---|---|
鹿児島 | - | × | - | - | 一次:116 | 一次:74/300 |
長崎 | - | × | - | - | 一次:87/130 | 生命科学:273.5/600 英語:0/50 |
琉球 | - | × | - | - | 不明 | 不明 |
旭川 医科 |
- | × | - | - | 一次:29/? | 生命科学:146/300 英語:45/100 |
富山 | - | × | - | - | 不明 | 不明 |
山口 | - | × | - | - | 不明 | 不明 |
大分 | × | 不明 | 不明 |
【2年目:2024年1月~2024年11月】
受験校 | 書類 | 一次 | 二次 | 三次 | 順位 | 点数 |
---|---|---|---|---|---|---|
鹿児島 | - | 〇 | × | 一次:25/? 総合:23/30 |
一次:147/400 面接:60/100 |
|
長崎 | - | × | 一次:36/95 総合:- |
生命科学:440/600 英語:0/50 |
||
琉球 | - | × | 開示待ち | 開示待ち | ||
山口 | - | 〇 | 辞退 | 開示待ち | 開示待ち | |
滋賀 医科 |
- | 〇 | ◎ | 開示待ち | 開示待ち | |
福井 | - | 〇 | 〇 | ◎(追加) | 開示待ち | 開示待ち |
旭川 医科 |
- | × | 開示待ち | 開示待ち |
進学先と進学先を選んだ理由
滋賀医科大学。受けられるだけ受けて一番初めに合格できたのが滋賀医科大学だったため。
福井大学は1月末に追加合格の連絡があったが、すでに入学手続きや住居を決めた後だったため。
2 勉強方法
KALS に入学した時期・KALS を選んだ理由・受講内容
・2022年4月~2023年12月:基礎+完成+実戦+物理化学コース
・2024年1月~:英語演習(単科受講)※KALSの諸サービスを利用する目的がメイン
志望校を選んだ時期・理由
基本的には2科目校、生命科学メインで受験できる大学を選択。2年目からは、高校レベルの問題が出るとされる4科目校も受験した。
入試までに勉強した科目
・生命科学(基礎・完成・実戦・トップレベルゼミ)
・医学英語
・小論文演習
・高校物理化学
・TOEIC、TOEFL
得意科目・不得意科目
・得意科目といえる科目は特になし。
・生命科学はゼロベース。物理化学は高校センター試験レベルの記憶がかすかにある程度。
・TOEICはもともと720点→825点。TOEFLは未受験の状態から→73点。
各科目の勉強法
【生命科学】
・KALSの授業と教材のみ。加えてankiアプリやGoogleスプレッドシートをフル活用した。
・基礎シリーズ→テキストのチェックリストを全てankiに登録し、繰り返し。
・完成&実戦シリーズ→授業ノートの内容や、問題演習でできなかった内容をankiに登録し、繰り返し復習。またテキストおよびワークブックの問題は全て解いた。
・まとめサイトなどから図表をもってきてGoogleスライドやankiに登録し、ひたすら書いて再現を繰り返した。
・Googleスプレッドシートにテキストの問題の演習回数、実施日、正答率、間違えたポイント、anki登録の有無などをまとめて管理した。これは、得意分野や不得意分野、網羅性、進捗管理など、自分の現状を「見える化」することの重要性を感じたため。
・要項集は試験直前期に、確認問題をひたすら繰り返し実施。回数が重なるほど、スピーディーかつ網羅的にポイントを復習できるので効果的だと感じた。
・模試や試験を受けるなかで、知識系の問題(知らないと解けない)と、考察系の問題(知らなくても問題文から考察して解ける)と、それぞれの訓練が必要だと痛感。
→知識系はとにかくankiを充実させ、すき間時間で回数を回すことでカバーし、即答できる問題を増やすことが重要。30代の脳みそでは、1回では絶対に覚えられないので…。
→考察系は、色々な問題のパターンに触れておくことで、受験で初見の問題が出た時の思考の引き出しを増やすことが重要。2年目以降はワークブックや模試、トップレベルゼミなど演習数をこなすことも意識した。
【医学英語】
・試験の傾向から、単語力と、長文を読み慣れておけば必要十分だと感じた。
・単語力については、KALSの英単語帳とターゲット1900のスマホアプリでひたすら脳死で周回した。
・KALSの英単語帳に自身で例文を追加し、単語+例文をankiアプリに登録して、難解な医学英語を定着させる工夫をした。
・英文慣れについては、KALSのテキスト演習とNature Briefing(メールで毎日ホットなテーマが英文で送られてくる)を利用しすき間時間で行った。
【小論文演習】
・授業+テキストを1周。志望動機のつくり方という章が非常に参考になった。
【高校物理化学】
・物理:宇宙いちわかりやすいシリーズ
・化学:入門問題精講、標準問題精講
【TOEIC、TOEFL】
・公式問題集を解くのみ
【志望動機・面接対策】
・KALSの過去の質問集やChatGPTなども活用し、質問リストを100個ほどスプレッドシートにまとめ、回答を作成。ひたすら繰り返した。
・4大質問(なぜ医師か、なぜその大学&地域か、どのような医師になりたいか、自身の経験をどう活かすか)については、Googleスライドにまとめ、筋がとおっているか整理し、また印刷して面接会場でパッと見返せるようにしておいた(電子機器の使用禁止のため)。
・ひたすらチューターさんや知人の医療関係者、コンサルタントの同僚に聞いてもらった。
1日の勉強時間。また、勉強時間を確保するための工夫や苦労など
・2年8か月で合計3000時間。
→2022年4月~12月:仕事が多忙。平日1~2時間程度。休日6~8時間程度。
→2023年1月~12月:職場に相談し業務を圧縮。平日3時間程度、休日8~10時間程度。
→2024年1月~11月:疲れが蓄積&仕事も多忙で失速。平日2時間、休日6~8時間程度。
・KALS新宿校に通えるエリアに引っ越した。
・また、KALS新宿校の近くに早朝~深夜に使える自習室を借り、平日は自宅⇒自習室⇒職場⇒自習室⇒自宅のサイクルをひたすら繰り返した。自宅では仕事の疲労もあり、全く勉強ができなかったため。
スランプの有無とスランプ克服法
1年目は筆記で全滅と結果が全く出ず、モチベーション低下どころの話ではなかった。
自分で「医学部受かるまで日報」をGoogleフォームで作成し、毎日の勉強時間や実施事項をデータ化していた。それを冷静にみたところ、明らか勉強時間が不足していることや、同時に、仕事が忙しいなかでも努力を着実できていることが可視化されていった。
しんどい時期こそ、客観的に自分のやっていることをデータで見るようにしていた。
3 その他
これから医学部編入を目指す方へエール
私は合格まで2年8か月かかり、お世辞にも順調というわけではありませんでした。ですが、仕事をしながらでも、文系卒でも、35歳でも、受かります。働きながらというと、時間というデメリットはありますが、経済的な安定性や継続性というメリットは大きいです。
正直、決して暇ではないコンサルティング業界で働きながらの受験で、心身ともに限界を感じるシーンはありました。ただ、たとえ今年ダメでも「来年はもっと合格する確率があがるだろうから、いけるな」と思っていました。本当に医師になりたいのであれば、あきらめずに、継続する価値はあると思います。皆様のご健闘を、心から応援しています!!