24年 大阪大学・筑波大学・香川大学(医学部)合格者 合格体験記
20代、男性。私大工学部出身。
社会人経験を通じて、医師として自身の専門知識を活かした医療課題へのアプローチを行いたいと考えるようになり、医学部を目指しました。
2023年10月頃より仕事と両立しながら学習を進め、香川大学、筑波大学、大阪大学の3校に合格。
1.プロフィール
受験校
以下観点から受験校を決定しました。
1.いわゆる多科目校であること。理系のバックグラウンドがあるため、物理化学は他受験生と比較してアドバンテージがあり、合格しやすいのではと考えました。
2.研究環境が充実していること。研究医を目指したいと考えていたため、在学中・卒後に研究をしやすい環境があるか確認しました。
3.立地が良いこと。最低5年間は居住することになるため、「ここなら住める」と思えるような地域か確認しました。
受験結果
香川大学、筑波大学、大阪大学、北海道大学に出願し、3校に正規合格しました。北海道大学は大阪大学の合格が出たため、受験は辞退しました。
1次試験 | 2次試験 | |
---|---|---|
香川大学 | ◯ | ◯ |
筑波大学 | ◯ | ◯ |
大阪大学 | ◯ | ◯ |
北海道大学 | 辞退 | - |
2. 勉強方法
KALSを選んだ理由
受講相談等を通し、KALSが情報収集や学習の面で最も効率の良いコンテンツを提供していると感じたため、2023年秋に受講を開始しました。予備校というと講義に注目が行きがちですが、チューターの方とのカウンセリングや過去問といった、編入試験に必要な情報に容易にアクセスできる環境があるのは、KALSの大きな利点かと思います。
各科目の勉強法
生命科学
生命科学は基礎・完成・実戦の3シリーズを受講しました。
受講開始時点で完成シリーズが始まりそうだったため、まずはそれに追いつくために、基礎シリーズを週2-3講座オンラインで受講しました。基礎シリーズについては授業の板書は全てテキストに書き込み、テキストさえあればどこでも授業の復習ができるようにしました。
また講義に加え、基礎シリーズがある程度進んだ段階からは、生命科学1問1答式用語問題集も並行して進めました。早い段階でこの問題集を仕上げると完成シリーズにスムーズに入れるため、ぜひ取り組んでみてください。サイズもコンパクトなため、通勤時等の隙間時間の活用には非常に重宝しました。
完成シリーズ・実戦シリーズでは必ず受講前に予習を行い、自身が何をわかっていないかを把握してから講義に臨みました。受講後はテキストの復習に加えてワークブックの問題も解きました。講義ノートや要項集を眺めるだけだと、今自分が何をわかっていないのかを把握するのが難しいです。出来なすぎて嫌になってしまうこともあるとは思いますが、早い段階から演習中心の学習を行い、理解できていない点をどんどん洗い出す=>分かっていない点に特に力を入れて復習するのが一番効率が良いと思います。
また、実戦シリーズ後はトップレベル生命科学テストゼミも受講しました。生命科学の学習という面に加え、時間配分や問題の取捨選択の能力といった、試験力のようなものを鍛えるためには非常に助けになりました。
化学
大阪大学が特に難易度が高い問題を課されるため、ここを基準に学習を進めました。過去問や過去の合格者の体験記を見ると、大学院入試向けの問題集で対策するのが良いだろうと考えたため、KALSのテキストに加えて市販の問題集にも取り組みました。高校範囲の化学については、筑波大学・北海道大学で問われる無機化学を除き、ほとんどやりませんでした。
利用した問題集などは以下です。
・有機化学
有機化学演習 基本から大学院入試まで
マクマリー有機化学 上・中・下
・物理化学
演習で学ぶ 化学熱力学: 基本の理解から大学院入試まで
物理化学演習: 大学院入試問題から学ぶ
量子化学: 演習による基本の理解
基礎コース物理化学I量子化学
・無機化学
大学受験Doシリーズ 福間の無機化学の講義 四訂版
演習無機化学第2版 基本から大学院入試まで
物理
化学同様、物理も大学レベルを目指して学習を進めました。私は大学受験の頃から物理に苦手意識があったため、基礎的なところからやり直しました。
力学はKALSの講義・テキストを中心に学習を進めました。力学のワークブックが問題量・難易度の両面からおすすめのため、取り組んでみてください。また市販の教材では「力学 (物理学レクチャーコース)
」に取り組みました。こちらも力学全般を復習するには大きな助けになりました。
電磁気学もKALSの講義・テキストに加えて、市販の専門書などに取り組みました。「電磁気学入門(物理学レクチャーコース) 」は、力学同様基礎をさらう助けになりました。また「基礎電磁気学:
電磁気学マップに沿って学ぶ」は、ベクトル解析を用いた電磁気学を学ぶ上で大きく役立ちました。
上記で利用した専門書を記載しましたが、モノによって合う合わないは人それぞれと思います。そのためAmazon等ECサイトではなく、書店で現物を見て自分に合うものを購入することをおすすめします(新宿校に通われている方は講義終わりに紀伊國屋へぜひ)。また大学範囲の物理の理解には、基礎的な数学の知識が不可欠です。線形代数・微積・ベクトル解析の知識が怪しい方は、物理と並行してマセマ等で簡単に学習すると、スムーズに理解が進むと思います。
英語
私の受験予定校のほとんどは、TOEIC・TOEFLのいずれかのスコアを提出する必要がありました。そのため、2023年冬ごろにまず公式模試を1冊こなした後にTOEICを受験したところ、スコアは890でした。できれば900前半は取得したかったですが、編入試験では英語のスコアは圧縮されるため、物理化学に時間を割り当てたほうが良いだろうと判断し、1回で受験は切り上げました。TOEFLはスコア89でしたが、TOEICのほうが点数換算で良さそうだったため、結局使用しませんでした。
またTOEIC・TOEFLのほか、大阪大学の生命科学と筑波大学では英語が試験で課されるため、2024年夏の試験直前にKALSの教材で医療系の英文読解や単語暗記を詰め込みました。日常生活では業務含めほとんど英語に触れる機会がなかったため、英語のカンを取り戻すだけでも、試験当日の大きな助けになったと思います。
数学
数学は筑波大学以外では直接問われることがないため、優先度は低めにしていました。過去問を見ると、線形代数・微積は出題される頻度が高いと感じたため、マセマのテキスト・演習書の両方に取り組みました。全て取り組むと時間がかかるため、過去問を何年分か確認し、そこで出題されている範囲に絞って学習しました。本当は高校範囲の内容も取り組むのが良いとは思いましたが、時間的な制約で諦めました。
また大阪大学と筑波大学の併願を検討されている方は、大阪大学の物理対策も兼ねて、マセマ数学に早い段階で取り組むのも良いかと思います。
小論文
KALSの小論文の講座を受講しました。小論文の書き方や添削はもちろん、トピックに関連した医療知識の解説は面接対策にもなり、非常にためになりました。他大学は事情わからずですが、大阪大学の2次試験は小論文・面接でも相当点差がつくため、志望者は1次試験に向けた勉強だけでなく、こちらも早めの対策をおすすめします。
志望動機書・面接
志望動機書は2024年4月に週末2日かけて一気に書き上げ、それを叩き台にチューターの方のアドバイスのもと随時改善していきました。第三者視点のコメントは貴重なため、気になる点あれば気後れせずどんどん相談するのが良いと思います。志望動機書が完成しないと、いつまでも心の隅に書類の存在がちらつき心理的な負担になるため、受験年度頭にベースとなる文章は完成させた方が学習に集中できると思います。
面接については、KALSでは過去の面接試験で問われた内容を閲覧できるため、それらを元に簡単な想定問答を準備しました。また当然ではありますが、大学のHP等を参考に各大学固有の志望理由もあらかじめ準備した上で、面接に臨みました。
勉強時間
平日2-3時間、休日8時間程度でした。ただ、具体的な目標時間は立てておらず、日・週・月単位でノルマを設定し、それを達成できればOKとしていました。合格に必要な勉強時間は各々のバックグラウンドに依存するため、他の人の勉強量を気にして変に焦る必要はなく、自分のペースで進めるのが良いと思います。
また時間を有効活用するため、平日は1問1答の問題集など隙間時間にできる勉強、休日はワークブックの演習など腰を据える必要がある勉強、というように状況に応じて取り組む勉強を切り替えていました。
3.最後に
働きながらの勉強だと、どうしても時間的な制約が大きいです。その中で全てにおいて完璧を目指すと、理想と実体がどんどん乖離して挫折してしまうかもしれないです。完璧を目指して途中で諦めるより、適宜現状に妥協しつつ最後まで継続する方が、結果的に合格にたどり着けると思います。またここまで私の体験記を記載しましたが、これを読まれている皆さんにはそれぞれ異なったベストな戦略があります。チューターの方や講師の方と適宜相談しながらあなただけ戦略を立て、合格に向けて頑張ってください。