24年 岡山大学(医学部)合格者 合格体験記
23歳、男性。米国私立大学リベラルアーツ学部卒業。
大学での基礎研究やボランティア活動の経験から医学部受験を決意。大学卒業後、2023年6月に入塾して受験勉強に専念。2024年7月、岡山大学に正規合格。
1 プロフィール
医学部編入、学士編入を志したきっかけ・時期
大学在学中に取り組んだ病院でのボランティア活動で免疫力の低い高齢者をサポートする中、院内感染症という課題を認識し、主要な原因とされる病原体の発生機序や生体防御機構に興味を持った。これをきっかけに大学では薬剤耐性菌の研究を行い、自身の研究対象であるMRSAをはじめとした多剤耐性菌による院内感染症やウイルス感染への関心を一層強く持つようになり、医学を学びたいと思うようになった。また、ヒトと病原体の果てしない進化的軍拡競走が続く中で、基礎研究から臨床試験への迅速な橋渡しが重要であるという見解をパンデミックの経験から得たことから、将来は感染症を専門とするフィジシャン・サイエンティストとして医療に貢献したいと考え、帰国後に医学部編入を決意した。
受験先と受験結果
書類選考 | 一次(筆記) | 二次(面接) | |
---|---|---|---|
鹿児島 | ー | × | |
東京医科歯科 | ー | × | |
岡山 | ◯ | ◯ | ※◎ |
※岡山は筆記と面接が同日に行われる。
受験予定だった大学: 神戸、長崎、富山、金沢、秋田
2 勉強法
KALSを選んだ理由・受講内容
日本での受験経験がなかったこと、独自では編入試験の情報が十分に得られなかったことから、圧倒的な実績を有しているKALSへの入塾を決めた。
受講内容:
生命科学基礎・完成・実戦シリーズ
生命科学トップレベルゼミ
生命科学 過去問分析: 鹿児島
英語完成演習
小論文講座
志望理由書個別指導講座
直前対策講座・面接
志望校を選んだ時期・理由
12月までに上記の2科目型校を志望校として選んだ。物理化学は大学で履修済みだったが、日本の受験に通用するレベルの基礎学力は全く持っていなかった。そこで、今年は自身のアドバンテージを活かして生命科学と英語だけに集中した対策を行い、2科目型の大学に絞って受験することに決めた。もし合格できなかった場合、来年度は物化も勉強して4科目型にも挑戦しようと考えていた。
入試までに勉強した科目
生命科学、小論文、英語(TOEFL)
各科目の勉強法
生命科学
勉強時間は2300時間で最も時間をかけた科目。基礎知識のインプットが最も大事であり、中途半端な状態で完成・実戦に入ると混乱するので、講義のペースが遅れていても土台となる基礎を完璧に仕上げるために十分な時間を取るようにした。井出先生もおっしゃられているように基礎知識は8-9割の完成度では意味がなく、一問一答式用語集の問題を全て即答できるレベルでなければならない。生命科学の基礎復習テストは常に偏差値50程度だったが、一問一答式を完璧にした後の基礎力判定テストは偏差値60に到達していた。その後の完成・実戦実力テストも60前後を維持できており、基礎の重要性を痛感した。
具体的な勉強法はAnkiアプリを使った方法である。テキスト・ワークを1周し、解けなかった問題を全てAnkiに入れてAnkiの自動復習スケジュールに沿って復習した。受験期に入った5月以降は要項集の練習問題も全てAnkiに入れて模範解答を覚えるまで何度も解答作成を行った。生命科学は範囲が広く暗記量が多いので、反復回数を増やして知識を定着させていく上でiPadやパソコンを使った効率の良いデジタル学習を中心に行うことをおすすめする。
英語
帰国子女で英語4技能に自信はあったが、和訳が壊滅的だった。最初に受けた実力テストの偏差値が49でかなり焦った記憶がある。英語完成演習の英文を和訳し、テキストに載っている全訳と比較して修正を繰り返すことで英文和訳を練習した。しかし、生命科学の勉強に追われていたこと、また最近は独自の英語試験を廃止して外部スコアを足切りとする大学が増えていることから、和訳を後回しにしてしまい、結局最後までしっかりとした対策はできなかった。
外部スコア(TOEFL
100以上)は本格的に学士編入の勉強を始める前に取得しておいた。TOEFL対策では、最初に「TOEFLテスト英単語3800」の単語を全て暗記して基礎を固め、その後にひたすら公式問題集などを使って演習を積むことで得点力を伸ばした。会場受験は集中しにくいので、可能であればHome
Editionを受験することをおすすめする。
小論文
小論文は全講義視聴してまとめノートを作成したが、実際に解答作成を行ったのは最初の基礎7講義のみである。全講義で解答作成を行い添削してもらうことが理想的だが、小論文に取り組み始めたのが5月末で時間に余裕がなかった。基礎だけを演習し、その後はテーマの把握や医療問題に関する知識のインプットだけに切り替えて進めた。KALSのテキストの他に、補助教材として「医系小論文最頻出論点20」を用いて題材の理解を深めた。他の受験科目を優先して小論文を後回しにする人がほとんどだと思うが、小論文テーマに対して自身の考えをまとめておくことだけでも心に余裕を持って受験に臨めると思う。
KALS実力テスト、成績について
KALS模試の成績 (偏差値/順位)
第一回公開模試 (記述)
生命科学: 63.2/16位
英語: 60.3/22位
2科目型総合: 63.7/13位
第二回公開模試 (記号)
生命科学: 59.0/25位
スランプの有無と克服方法
スランプ: 元々長時間勉強ができるわけではなく、公開模試がある4〜5月までは一日の平均勉強時間は8時間だったと思う。最初の受験校である鹿児島の一次試験の後は平均6時間まで下がった。一次も通過していないのにただ勉強時間が減ってダラダラしている自分を嫌い、ネガティブな気持ちになることが多かったが、最後は勉強時間ではなく継続することが最も大事なんだと自身に言い聞かせて勉強を続けていた。
3 その他
医学部編入にあたっての抱負
感染症を専門とする臨床と研究の両方に携わるフィジシャン・サイエンティストを目指したいと考えている。臨床現場では感染症専門医として感染症全般の診断と治療および感染症対策に従事する。さらに、リサーチマインドを有した医師としてこれらの業務を行うことで、臨床で遭遇する様々な知見をもとに研究のアイデアを創出して基礎研究へと繋げて行きたい。ベンチサイドでは主に薬剤耐性(AMR)の克服を課題とした研究を実施し、治療効果が低下した既存の抗生物質の再利用や新たな抗菌薬の開発を目標に、微生物のAMRメカニズムの解明に尽力したい。また、長期の海外経験で身につけた英語力を活かし、高齢化が進む世界のロールモデルとなるこれからの日本の超高齢社会における感染症対策や感染症研究の成果を積極的に海外に発信する医学研究者としても活躍したいと考えている。
受験生へのメッセージ
本当に合格できるのかと不安に押し潰されそうになることが何度もあると思いますが、焦点を当てなければいけないのは"今"であり、過去のあなたの経歴でも未来の合否でもありません。今自分ができることに注力し、どんなに格好悪くても継続すれば必ず見えてくるものがあると思います。やる気が落ちて勉強時間が減っても、忙しくて学習ペースが落ちても、続けていればいいんです。比較する相手は昨日の自分で、あなたは確実に前へ進んでいます。どうか諦めず、KALSのカリキュラム、講師陣、チューター、スタッフを信じて進み続けてください。皆さんが合格を掴み取れるよう、心より応援しております。