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愛媛大学 医学部 合格体験記 

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24年 愛媛大学(医学部)合格者 合格体験記

32歳、女性。国立大学教育学部卒業。小児がんに罹患した子どもたちの教育支援の経験から医学部受験を決意。2021年12月から本格的に受験勉強を開始。仕事と両立をしながら2024年9月愛媛大学に合格。

はじめに

合格までの道のりは決して平坦なものではありませんでしたが、これまでの合格体験記を参考にして受験生活を送り、無事合格することができました。「なかなか筆記試験に通らない」「どうしても面接がうまくいかない」と悩んでいる受験生の方々にとって、私の体験記がほんの少しでも前に進むきっかけになれれば幸いです。

1 プロフィール

医学部編入、学士編入に至るまでの経緯

大学在学中に、長期入院中の高校生が十分な教育を受けられない現状を知り、医療と教育の連携(医教連携)の重要性を認識。卒業後は、フリースクールや個別指導塾で指導を行いながら、小児慢性特定疾患の自立支援事業等に携わる。この経験を通じて、医教連携の重要性を再認識するとともに、治療中だけでなく治療後の支援体制にも課題があることを実感。教育者の視点を持った医師として、子どもたちの力になりたいという思いから、2021年12月にKALSに入校。

受験先と受験結果

受験校は、2科目型および4科目型(高校範囲の物理・化学)を選択しました。できるだけ早く合格したかったため、立地にはこだわらず、金銭的に受験可能な大学(6~10校/年)に絞って受験しました。
※字数の都合上、一次不合格となった大学および出願のみの大学は省略し、一次通過した大学のみを記載しています。

受験年 大学名 一次 二次 三次
2022 山口大学 ×
2023 大分大学 〇(書類) 〇(筆記)
生111/200
英62/100
×
2023 旭川医科大学 〇(14位/113人)
生171/300
英39/100
×(9位/16人)
面82.7/100
2023 愛媛大学 ×
2024 大分大学 〇(書類) ×
2024 愛媛大学 ◎(進学先)
2024 金沢大学 〇(書類) 辞退
2024 長崎大学 〇(12位/95人)
生485.0/600
英0.0/100
×(8位/21人)
書131.33/200
小149.00/200
面150.00/200
2024 群馬大学 ×
2024 福井大学 〇(筆記) ×(書類)

2 勉強方法

KALSに入学した時期・受講内容

2021年12月:基礎+完成+実戦(通信)
2023年:熱力学・化学熱力学
2024年:有機化学

入試までに勉強した科目

生命科学、英語、物理、化学、
統計学、数学、小論文

各科目の勉強法

生命科学

・KALSのテキスト、ワークブック
・テストバンク(コース受講年のみ)
・確認テスト
・一問一答
・トップレベル生命科学テストゼミ
・実力テスト
・公開模試
・プレミアム講座 過去問分析
・大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法、遺伝問題の解法(※山口大学直前期のみ使用)
☆「勉強時間は割いているし、やっている気はするけれど、筆記試験がなかなか通過しない」という受験生の方に、まずチェックしていただきたいのは「一問一答や確認テストの使い方が適切かどうか」です。
具体的なチェックポイント:
①「はい正解。オッケー」で終わらせていないか
②解説や講評をサッと読むだけで済ませていないか
③本質的な理解に踏み込まず、「場所暗記」になっていないか
一問一答や確認テストを"きちんと"使いこなせるようになると、着眼点が鍛えられ、問題文の捉え方が大きく変わりました。この感覚が得られた状態でテキストやワークをやり直しました。5月に実施されるテストゼミでは、復習の程度を確認し、ホットなテーマを知り、高得点を取るための解法のコツを存分に習得しました。試験日に向けて弱点や死角をなくしていくことで、筆記試験の通過率が確実に向上しました。
それでももし結果が出ない場合には、次の2つの要因を検討する必要があると感じています。
①勉強時間は十分か
不十分なのは勉強時間だけなので、これを克服するだけで結果が出やすくなることが多いように感じます。焦らず、少しでも多く時間を確保することが大切だと思います。
②意識しているつもりでも、まだ「なんとなく」の学習になっていないか
私が経験した状況に陥っているかもしれません。公開模試や実力テストの偏差値が60を超えることがあっても、それが安定して続かない場合、この状況に陥っている可能性を積極的に疑っていただきたいです。こうした状況から抜け出すためには特別なことは必要なく、「表面的な理解になっていないか?本当に理解できているか?」を徹底的に問い続けながら学習することが重要でした。なんとなくの学習を続けてしまうと、決して落としてはいけない穴埋め問題で取りこぼしをしたり、記述問題で「正解っぽいことを書いた気になってるだけで、実際には間違っている」状態に陥ります。私は、最後の学習相談(24年7月実施)でも井出先生からこの点を指摘され、再度意識を改めました。実際、公開模試の取りこぼしの得点を加算し、偏差値を再算出した結果、偏差値が66.3になることが分かりました。いかに自分が生命科学に対して甘く向き合っていたかを自覚し、未だにやった気になってたのか...と情けなく思いましたが、落ち込んでる場合でもないので、気持ちを切り替えて一問一答をやり直しました。
筆記試験は、場当たり的な暗記では乗り切れない試験だと振り返っています。日頃から、ただ問題を解くだけでなく、井出先生の解説や講評も隅々まで読み込み、本質的な理解に到達しているかを徹底的に確認していくことが、合格に向けて何よりも必要だと感じました。

英語

・KALSのテキスト、ワークブック
・KALSの医学英単語
・ターゲット1900
・TOEIC、TOEFL対策本
・英検、TOEFLのライティング対策本(※旭川医科大学直前期のみ使用)
TOEIC 670(愛媛大学出願時)
TOEIC 770(最終スコア)
TOEFL 58 (R17/L14/S14/W13)
実力テストや公開模試の解説授業には必ず出席しました。永川先生は今年度の受験生の傾向や動向を把握した上で、「英語はこのくらい取れれば十分」という指標を示してくださり、計画を立てるためにはリアルタイムの情報を得ることが必要だと感じたからです(また、元気もいただけるからです!)。公開模試等の目標偏差値は57-58でしたが、実際には52-56を行き来していました。英語は自分の得意科目ではないと自覚していたため、足を引っ張らない程度に点数を取ることを意識しました。チューターには、弱点について自己分析が合っているかを定期的に確認していただき、文章の把握方法なども積極的に学びました。時間制限内で高得点を取るためには、細かいところに気を取られすぎず、全体の大枠を捉えることが何より大切だと気付き、この点を強く意識して演習を繰り返しました。

物理、化学

・スタンダード物理ⅠⅡ、化学ⅠⅡ
・生命科学基礎のテキスト 化学の概念
・高校の教科書
・セミナー物理、化学
・らくらくマスター物理、化学
週に2枠しかない堀川先生の貴重なカウンセリング争奪戦を毎週繰り広げました。分からない問題だけでなく、できるようになった問題も持って行き、定期的に成長チェックをしていただきました。堀川先生のおかげで、物理や化学の理解を深めることができ、論理的思考力も少しずつ向上したと感じています。物理や化学の知識が身につくことで、生命科学の捉え方も少し変わり、複雑な問題にも柔軟にアプローチできるようになったと思います。

統計学

・プレミアム講座 医学統計(疫学)対策
井出先生の講座です。分かりやすすぎるので、積極的におすすめしたいです。

数学

・高校の教科書
・青チャート
・YouTubeで行列の動画視聴
(※愛媛大学直前期のみ使用)

小論文

・KALSのテキスト
・河合塾出版 医学・医療概説

面接について

☆「筆記が通過し始めているけれど、なかなか面接がうまくいかない」という受験生の方に最も伝えたいことは、「今こそ、志望動機の見直しではなく、筆記試験の対策に力を入れること」です。
私は、「志望動機にこそ大きな課題がある」と誤った判断をして、志望動機書や面接対策に多くの時間とエネルギーを費やしてしまいました。確かに、志望動機書や面接対策も重要ですが、最終的に合格を決めるのは筆記試験の点数だと振り返っています。チューターからOKをもらった志望動機には自信を持って、残りは筆記試験の徹底的な対策に時間を割いていただきたいです。
これを踏まえた上で面接対策ですが、チューターとのカウンセリングを活用すれば十分だと感じています。自分のバックグラウンドや性格に合ったアドバイスをしていただけるので、安心して取り組めました。

家族の反応

ずっとサポートし続けてくれました。私以上に、私の可能性を信じてくれました。不合格が続いて落ち込む私に、姉は「十分やった結果、落ちたものはどうしようもない。合格するために、何が必要なのか冷静に考えな。」と、向き合うことから逃げず、現実を冷静に受け止め、着実に次に進む環境を与えてくれました。

苦しかったこと、克服法

①日々のメンタル維持
克服法:チューターと話す。好きな音楽を聴きながら散歩する。
→私は、感情が揺れやすいタイプだと自覚していたので、積極的に受験仲間を作ることを避けていました。しかし、話さないとやっていけないタイプでもあるため、チューターのカウンセリングを積極的に活用し、調子を整えていました。ほぼ毎週(もはやほぼ毎日)のようにカウンセリングを受けていました。特にお世話になりましたH.Kチューター、K.Sチューター、本当にありがとうございました。
②諦めそうになったとき
克服法:原因を追究し、とことん向き合う。自分の弱点や課題を克服する方法を、KALSの先生方、スタッフの皆さん、チューターの方々にハッキリと指摘していただく。
→具体的な一例として、2024年も受験を続けるべきか迷っていた時期がありました。2023年で結果が出なければ家族に受験を辞めると伝えていたので、その覚悟で受験に臨んでいました。しかし、最終合格を得ることができず、今後何をどう考えたらいいのかさえ分かりませんでした。
過去の合格体験記に、「この試験はやるかやらないかの2択。自分を信じて、諦めないでください。」というメッセージがあり、その言葉に励まされて頑張ってきましたが、「でもそれは可能性がある受験生に適用される話であって、私はもう頭打ちかもしれない」と思うようになりました。
そこで、現実を冷静に真っ直ぐ伝えてくださる井出先生に、「能力的に合格の可能性がゼロなら、ハッキリとゼロと言っていただきたいです。」と伝え、未練を断ち切ろうとしました。すると、井出先生から「勉強法を変えてからまだ一年も経っていない。複数の筆記試験を通過して少しずつ成果も出てきている。今辞めるのはもったいない。辞めるかどうかを本気で考えるのは、来年(2024)の受験が終わってからでいい。」と言っていただきました。そして、「最終合格していないのは、筆記試験が1位じゃないから。」と指摘していただきました。
この言葉を受けて、「頭打ちじゃなかった」と実感し、なんとも言えない感情がこみ上げてきました。そして、「頑張っていた気になっていただけだ。休んでいる場合じゃない!やるべきことがまだまだあった…!」という気持ちが湧き上がり、落ち込むほどの努力ができていなかった自分への認識も深まり、再び前向きに取り組む決意が固まりました。
あまり他者に涙を見せない人生ですが、ちょうどこの時期、スタッフの方から「十分頑張ってる」とお世辞にも言っていただき、我慢していたものがボロボロと溢れてきてしまいました。「実家に帰ってゆっくり休んでもいい」と言っていただきましたが、その言葉を投げかけてくれるスタッフさんがいるKALSで頑張れることが、私にとって一番の精神安定でした。本当にありがとうございました。

その他、受験勉強を経験した感想等

井出先生の学習相談は、ぜひ受けるべきだと強くおすすめします。井出先生は、答案用紙を通して、どのように勉強してきたのか、どこに弱点があるのかを瞬時に見抜き、その弱点をどう克服すれば成績が伸びるのかを的確に分析して指導してくださいます。さらに、学力の変化がどのタイミングで結果に結びつくのかを具体的に示し、合格までの道のりも明確に伝えてくださいます。
井出先生の凄さは皆さんもご存知かと思いますが、「学士編入の道は井出さんが作ったと言っても過言ではないし、実際にそう。井出さんが言うことは間違いない。」と、天下の永川先生も仰っています。このような先生に出会えること自体が貴重で、そしてそのような先生に相談できる機会というのは一生に一度あるかないかだと思います。ぜひ、この機会を積極的に活用していただきたいです。

3 その他

医学部編入を目指すみなさんへ

「KALSでやった部分でも完璧にできてる人は多くない。でも合否を決めるのは、その応用部分をどれだけとれるか。」と、チューターからアドバイスをいただいたことがあります。
実際、最終合格できた愛媛大学の筆記試験後、会場で他塾の受験生同士が専門的な話をしていて少し不安になりましたが、「KALSでやったところは確実に解けたから、大丈夫」と自分に言い聞かせ、結果を待ちました。無事に筆記試験を通過し、面接では開口一番に「筆記試験がとても良かった。特に化学と分子生物学が非常に優れている。」と評価していただき、KALSで学んできたことが確実に実を結んだと感じました。挑戦を続けている方も、これから挑戦しようと決意する方も、KALSを信じて合格を掴んでください。心より応援しています。

こうして学士編入試験を乗り越えることができたのは、KALSの先生方、スタッフの皆さま、チューターの方々のおかげです。本当にありがとうございました。