24年 東京科学大学 医学部学士編入試験合格者 合格体験記
30代、女性。大学院修士課程(理系)を卒業後、製薬業界に従事。
仕事上、小児医療に関わる機会があり、病気に苦しむ子供達を助けるため医師になりたいと思い、医学部受験を決意。2023年6月に本格的に受験勉強を開始。家庭や仕事を両立しながらの受験に苦労したものの、2024年7月に東京科学大学(東京医科歯科)大学に合格。
プロフィール
医学部を志したきっかけ
病気に苦しむ子供達を助けたいという思いから医師を志しました。
社会人になってから、小児病院で学ぶ機会がありました。そこで、重い疾患を持つ小児患者とその家族に接し、疾患による苦しみがとても大きいことを知りました。そしてまた、医師達がその一つ一つの苦しみに向き合い、懸命に治療と診療を進めていることを知りました。私は、患者のために何もできない自分を情けなく感じ、自分も医師になって目の前の患者を助けたいと思うようになりました。
学士編入を志したきっかけ
一般入試より学士編入の方が自分の経歴を活かせると思い学士編入を志しました。
私は大学院で研究してきた経験と、製薬会社で疾患の治療薬に関わってきた経験があり、それらを自分の強みと考え学士編入にチャレンジしました。一年目は学士編入に集中して、もし合格できなければ、二年目以降は一般入試を視野に入れるつもりでした。
受験先と受検結果
東京医科歯科大学のみ受験し合格したため進学を決めました。
志望校の選択
研究に力を入れていることや、海外への留学のチャンスもあることから、東京医科歯科大学を第一志望にしました。その他の大学についても検討しましたが、家庭事情により複数受験が難しい状況だったため、その他の大学への受験をあきらめました。そのため、受験一年目はとにかく第一志望の東京医科歯科大学に集中して対策を行おうと心に決めて、勉強を始めました。
KALSを選んだ理由
学士編入をした友人に勧められてKALSを選択しました。また、オンライン授業が充実しているところも魅力的でした。
KALS受講内容
完成+実戦コースを選択しました。
東京医科歯科大学を受けるために「医学英語演習」と「生命科学」が重要と考え、選択しました。
受験までの流れ
志望動機の作成
まず受験勉強開始にあたり、志望動機を固めることから始めました。
受験予定日の一年前頃から志望動機を書き始め、その後、月一回の頻度でチューターさんに志望動機の添削をお願いしました。なぜ医師になりたいのか、医師になってどんなことがしたいのか、最初はあいまいできちんと言葉で表現できなかったのですが、チューターさんと話すことで徐々に自身の中で明確になりました。受験予定日の半年前くらいに志望動機がだいたい完成し、自信につながりました。
過去問
まずは最終的にどのレベルに達する必要があるのかを知るため、受験予定日の一年前頃から過去問を解き始めました。最初は全く手も足も出ず絶望しました。英語力が足りないことに加え、統計や生命科学といったその他の知識も全く足りていませんでした。不十分な知識を教科書等で補いつつ、とにかく繰り返し解きました。最終的に東京医科歯科大学の過去問を5周しました。その他、チューターさんに勧められ、問題傾向が似ている富山大学と鹿児島大学についても、過去問をできるだけ入手して解きました。富山大学と鹿児島大学の過去問もだいたい3周しました。最後は規定の試験時間よりも短い時間で解き終わるように、文字を書くスピードを調整するなどして本番に備えました。
英語
受験勉強開始の時点でTOEFLの点数は足りていたため、外部試験対策はせず、本番の英語の試験に向けて、以下の4つに取り組みました。
・KALSのマイルームにアップロードされている単語リストを利用して、単語力を増やしました。
・完成シリーズ「医学英語演習」を解きました。文章中に出てきた不明な英単語はパソコンのノートにメモし、空いている時間に繰り返し復習しました。
・アカデミックジャーナルの「Nature」「Cell」「Science」「JAMA」等のX(旧twitter)をフォローして、投稿されたときに通知が来るように設定しておき、最新のサイエンスの情報をアップデートしました。
生命科学
生命科学については大学時代に習いましたが10年以上前であったため忘れてしまっておりました。そのためまずは、「生命科学一問一答式用語問題集」をひたすら勉強しました。苦手な分野は、完成シリーズ生命科学テキストの井出先生のビデオや生物系の動画(ゴローのYouTubeチャンネル等)で補いました。その後、全体像がある程度つかめたところで、「生命科学要項集」を3回繰り返しました。一度覚えたことは、その日のうちに頭の中で思い出し定着させるようにしていました。分野ごとに1ページのまとめプリントを作り、新たに学んだことはそのまとめプリントに付け加えるようにしていました。本当はもっと生命科学を勉強したかったのですが、過去問練習と英語学習を優先させた結果あまり時間をかけることができませんでした。
おすすめの図書
・わかってきたかも「医療統計」・・・だけど論文読めません!!:「わかりません」シリーズは3冊あり全部読みました。統計への恐怖心が少し和らぎました。
・生命科学一問一答式用語問題集:生命科学の全体像と基礎を把握することができます。
・生命科学要項集:記述式の過去問集で、生命科学の全体像と要点を理解するのに役立ちました。
一日の勉強時間
平日も週末も一日4時間くらい勉強していました。家庭と仕事の都合でこれ以上の時間をとることができませんでした。目が冴えている午前中に過去問を解き、夜の眠い時間などに志望動機書の作成や調べものをしました。
チューター面談・講師面談
月に一回以上チューターの方と話をするようにしていました。面談内容は、最初は志望動機の書き方、その後は過去問の解き方、最後は面接練習や集団討論練習をお願いしていました。学士編入では情報収集がすごく重要なので、KALSのチューター制度をできる限り活用すべきだと思います。面談予約の枠は限られていて、予約開始とともにすぐに埋まってしまいます。私は自分の面談が終わり次第、すぐに次の予約を取ることで一か月に一回以上の枠を確保していました。
その他
医学部へ編入するにあたっての抱負
私は小児科に進み研究を通して病気に苦しむ子供達を助けたいです。
具体的には、学生のうちに小児科の研究室に所属し、オミックス解析等を用いて難治性や予後不良の疾患の患者の層別化や治療標的の発見など進めたいと考えています。
これから医学部編入を目指す方へ
医学部編入試験を目指すうえで2つの点を重視していました。
1つ目は「最初に、最終的なゴールを知ること」です。ゴールを知るために、私は全く実力がない状態で最新の過去問を解きました。そうすることで、自分の実力のなさに焦り、勉強のモチベーションを保つことができました。また、自分に何が足りていないのか、どのような勉強が必要かを知ることができました。さらに、何度も繰り返し過去問を解くことで、確実に解ける問題が増え、自信につながりました。
2つ目は「将来像を具体的に考えること」です。私は志望動機の作成を通して、将来像を考えていきました。「何科に進む?その中のどんな疾患に関わる?どうやってその疾患を患う患者を救う?自分はその治療や研究において何ができる?」これらを繰り返し自分に問いかけながら、自分の医師像を具体化しました。また、チューターさんにもその将来像を見てもらい、矛盾が無いか、あいまいな点が無いか見ていただきました。こうすることで、「私は絶対医師になって、この疾患の子供達を救うのだ」という意識が生まれ、きつい受験勉強や二次の面接でも軸がぶれることなく、乗り越えることができました。
最後に
私は、受験勉強していて、いつも不安でいっぱいでした。今更医師になるなんて絶対むりじゃないか、こんなに色々犠牲にして頑張る必要があるのか、もっと大事なことが他にあるのではないか、と途中で諦めそうになったことも多々ありました。でもそのたびに必死に子供達を救うために頑張っていた小児科医の姿を思い出し、「やっぱり医師になりたい。諦めることを考える前にまずはやってみよう」と自分に言い聞かせ頑張りました。皆様、どうか頑張って下さい。皆様の合格を心よりお祈りしております。お読みくださってありがとうございました。